81歳の父がPCデポから高額のサポート料、法外な解除料を請求されたとして、息子のケンヂさんが涙ながらに怒りをあらわにしていた。昨年9月に、不要なサポート契約をしているのを知って解約した。そのときに「認知症なので父がまた来ても再契約しないでください」と店員にお願いした。
ところが3ヵ月後に父が再契約してしまった。PC10台までサポートする契約で、毎月1万5千円の契約をさせられた。ケンヂさんが店に抗議したが、解除料として20万以上請求された。契約書を見ると署名するところが20箇所もあり、内容が複雑で理解できない。
問題がマスコミで取り上げられたのは、PCデポ従業員の内部告発があり、ツイッタが炎上したからである。告発した従業員は次のように語っていた。
「罪悪感があった。ノルマを課せられていたためお客に不要と思われる契約も撮らざるを得ない状況に追い込まれていた。サポート契約は、従業員であっても講習会に参加して学んでも理解が困難な内容である。お客様が数時間説明を聞いても到底理解できない。詐欺といわれても仕方がないやり口である。」
ケンヂさんは「ヨボヨボの認知症を患った81歳の父が、パソコンを持って30~40分もかけて店に行き、父には不要な高額なサポート契約をさせられてしまった。そんな父がかわいそうだ」と涙ながらに話していた。
これは「お客の知識のなさにつけこんだ詐欺まがいの商行為である」といわざるを得ない。数年前に、携帯・スマホの契約、売り方ががおなじようなものだと警鐘を鳴らした。友人知人から相談されるので、スマホの機能比較、価格比較、サービス契約内容などについて記事を書いたことがある。
IT業界に身をおいていた私は、元ソフト開発者であり、黎明期からパソコンやインターネットを使ってきた。自慢になるが、自営のSNSやTwitterライクなサービスも所有するドメインに作って運営してきた。そんな私でもパソコン(Windows)の不具合に悩まされてきた。
不幸なことに、Windowsは自分で随時メンテしないと、必ず不具合が生じるといって良い。Windows Updateなるものやウィルスチェック、デフラグ、バックアップなどを初心者の人が自力でやるのはほぼ不可能だといって良い。だいいち、コトバそのものの意味が分からない。
使い方だけでなく、パソコンの品質もむかしに比べて劣化したのではないかと危惧している。HDDやDVD/BDドライブが壊れるケースが多くなったと感じている。
こうした状況だから、サポート・サービスの商売が成り立っているといって良い。パソコンやWindows、Officeなどがどんどん高機能化してきた。それは複雑になり習得が困難になったというのと同義である。ビジネスで使うことのないホームユーザには、猫に小判のような高機能化である。不要なサービスであっても、不安だからといって契約をしてしまうことが多いと思う。
私は自分のウェブサイトを制作している。数々のオープンソフトをインプリメントし、日常的にスクリプトを作っている。普通のホームユーザよりもいろんなことにパソコンを使っていると思う。
そんな私でも、10年前のXPパソコンで十分である。マイクロソフトのWord/Excel/Powerpoint(いわゆるOfficeソフト)は2003年リリースのものしか持っていない。使うことはほとんどない。いまやネットにつながっていれば無料で同じことができる。
パソコンを買うときはOfficeの入っていないものを選ぶ。数万円は確実に安いからだ。店頭で販売しているパソコンは10万円もするのが主流だ。私はモバイルでは3万円のノートパソコンを使っている。HD動画を編集するためには性能不足になるので、家ではi5パソコン(メモリ8GB、10万円)を使う。
ホームネットワークもモバイルでのネット接続もiMAXルータひとつである。かつては自宅では光ネットだったが、iMAXを買ったときに解約した。ネット接続に毎月1万5千円支払っていたのが3800円だけになった。機能・性能はまったく変わらない。
国民生活センター「60歳以上の消費者トラブル相談」 03-5793-4110
9月15日ー16日 午前10時~午後4時
または消費者ホットライン188