1973年(昭和48年)のオイルショック(10月16日原油価格が70%引き上げ)をきっかけに物資不足が噂され、千里大丸プラザ(現ピーコックストア千里中央店)で起きた特売トイレットペーパー事件を発端に全国に広がった買い占め騒動である。
同年11月1日午後1時半ごろ、大阪千里ニュータウンの千里大丸プラザが、特売広告に「(激安の販売によって)紙がなくなる!」と書いたところ、300人近い主婦の列ができ、2時間のうちにトイレットペーパー500個(4ロール100円)が瞬く間に売り切れた。
追加補充で二枚重ねの高級品を特売で並べ、「200円」と掲示した。それを見た客が、あっという間に価格が2倍に上がったと勘違いし、買占めに殺到するようになった。女たちの争奪合戦が始まった。
特売品でないトイレットペーパーを並べると、それもたちまち売り切れ、噂を聞いた新聞社が「あっと言う間に値段は二倍」と見出しに書いたため、騒ぎが大きくなり、騒動に発展した。マスコミの無責任な虚偽報道に踊らされたということだ。
実は紙製品尾生産量は前年より2割増しになっており在庫が十分にあった。この騒動を治めるために動いたのが当時通産省の紙業課長の村岡茂生さん(83)だった。
この話は、今夜のフジテレビ「報道スクープSP」で放送されているのを見て書いている。村岡さんが出演して証言していた。10年以上前になるが、情報処理振興事業協会の理事長をされているときにお世話になったことを懐かしく思い出した。