ABC創立65周年記念スペシャルドラマ 氷の轍 が放送された。前半はストーリー展開がゆっくりすぎて興味をそがれ、断片的に見ていたが、後半になって全体像が見えてきて面白くなった。戦後間もない頃の札幌、青森、釧路にフラッシュバックしながら物語が展開する。ストリッパーの母親に捨てられ、里子に売られた姉妹の哀しい物語だ。その中に北原白秋の詩がでてきた。
幼い頃に里子に出され生き別れた姉妹。姉(宮本信子)は妹(余貴美子)を守れなかったという悔いを抱いて生きてきた。そして初老になって見つけた妹が犯した罪をかばい、自分がやったと自首し、妹を守ろうとするが、またしても守れなかった。そんな姉の心情を写しだす詩である。
「真実、あきらめ、ただひとり
真実一路の旅をゆく。
真実一路の旅なれど、
真実、鈴ふり、思い出す。
二人で居たれど、まださびし、
一人になったらなおさびし、
真実、二人はやるせなし、
真実、一人は堪えがたし。」