司馬遼太郎が新聞記者時代から作家になってからもたびたび訪れたという岩屋山志明院に関心を持った。 親日家のシラク元大統領も訪れた志明院は京都市北西部の山間部(雲ヶ畑地区)の山奥、桟敷ヶ岳(さじきがたけ、895.9m)の南側にある。 京都市内から岩屋山までの路線バスは1972年に廃止、出町柳駅から岩屋橋の区間も2012年3月末に廃止された。 雲ヶ畑地区(出谷村、中畑村、中津川村)の過疎化のためで、小学校・中学校も廃校になった。 2010年時点の人口は71世帯177人。山歩きと歴史探訪を楽しめる地域のようだ。
京都市内からの路線バスはなくなったが、雲ケ畑自治振興会が運営する「もくもく号」(北大路駅前~雲ケ畑岩屋橋)がある。ただし1日2往復のみである。午前8時40分北大路駅前を発ち、岩屋橋最終便14:20(土休日は15:10) に乗る計画で行ける。岩屋橋から志明院へは1.4km、徒歩30分くらいだろう。山道沿いの史跡を見ながら岩屋橋~志明院往復に5時間の余裕がある。
岩屋橋発のバスに乗り遅れたときは叡山電鉄鞍馬線・市原駅まで歩いても12kmほどだ。地下鉄・北大路駅までだと15kmである。※バスは9人乗りジャンボタクシーで、満員のときは臨時便が運行されるのでバス停で待つ。雲ヶ畑観光協会 TEL 075-491-0251。
- 京都府観光ガイド・志明院
- 京都観光Navi・志明院(岩屋不動、岩屋山志明院)
- 「鴨川(賀茂川)の源流域・雲ヶ畑/志明院を歩く」(はんなりガイさん)
- 「岩屋山志明院」(komoriさん)
- さようなら、京都バス37系統・・・ 雲ヶ畑線惜別乗車と今後
- 雲ケ畑バス~もくもく号~の運行開始(pdf案内)
志明院
鴨川の水源地に位置し、天長6年(829)空海によって創建された。本尊不動明王は空海の直作といわれ、日本最古の不動明王像といわれている。境内は、豊かな自然の修行場であり来山者の心を癒してくれる。しゃくなげ林(京都市の天然記念物)は4月頃開花する。また、歌舞伎18番「鳴神」の舞台地としても有名である。
惟喬神社
地元の産土神(うぶすなかみ)で祭神は惟喬親王。平安時代前期の文徳天皇の第一皇子。幼少から聡明だった親王は、父の愛情も深く次の皇位を継ぐはずであったが、時の権力者・右大臣藤原良房の娘と文徳天皇の間に第四皇子(惟仁親王、後の清和天皇)が生まれると、良房らの圧力により皇位を奪われ都を後にしこの地に隠棲する。後、出家するが26歳の若さで逝去。