名前で人生は変わる

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The Telegraphの記事 (Having an easy-to-say name 'will help you get promoted', 2012/2/9)によれば、言いやすい名前の人ほど出世しやすいという。これを引用した「ホンマでっかTV」が放送された。平成になってからとくに多くなったのか、読めない名前が氾濫している。芸能人だけでなく一般人も難しい(読めない、書けない)名前をつけるようになった。そんな名前を子供につける親の気持ちが分からない。名前は人に認知してもらうときの基本であるから、覚えてもらいやすい名前のほうがいいに決まっている。「ホンマでっかTV」の先生方も同意見であった。

人は、覚えやすいとか見てすぐ分かるといことが好きである。専門用語では「認知負荷」というが、人は認知的にとてもケチであるから、ちょっとでも手間がかかるのを嫌がる。たとえば大学生で行った模擬選挙の調査では、言いやすい名前の人に投票する。先入観に捕らわれてはいけない、論理的な弁護士の調査(アメリカの例)では、マイクといった言いやすい名前の弁護士のほうが出世している。

日本でも同じ傾向で、短ければ短い名前のほうが良い。口をあまり動かさずにいえる名前のほうが好感をもたれることが分かっている。これは経験則でも明らかである。読み方が分からなかったり、覚えにくい名前だったといらいらするものである。書くときも、手書きはもちろんだがパソコンで変換できない名前があると嫌気がさすものだ。

いちばん出世しやすい名前は「読みやすくて珍しい」名前。珍しい名前だと、人は覚える。簡単に発音でき、簡単に読め、かつ珍しい名前が良い。名前は絶対に人生に影響すると言い切るのは、池田先生・・・。中原誠名人の師匠の師匠が金 易二郎(こんやすじろう)で、金さんの娘の名前は「たま」だった。「金たま」が嫌で、姓が変わるように早く嫁に行った。「たま」という名前でなかったら、あわてずにいい男を選べたはずだ・・・という。

脳科学者・中野先生によれば、○○子とか○○代といった古風な名前の人のほうが、しっかりした行動をする。これをラベリング効果(予言の自己成就)といって、たとえば根拠はないが、目が細い人は冷たい性格とか、金髪にしている人はルールから外れた行動をするとステレオタイプを決めてしまうと、本質的にはそうではないのに、言われたことを信じて行動してしまう傾向がある。

双子で、男っぽい名前と女っぽい名前をつけると、男っぽい名前の子は理数系に強く、女っぽい名前の子は弱くなることがある。これは「女性は理数が苦手」という刷り込みがあるからで、女っぽい名前の子は苦手意識を持ちやすい。これがまさしく「予言の自己成就」である。

マーケティング・牛窪先生によれば、「あ音」で始まり、途中か最後に「ん音」がある名前は覚えやすく、脳裏に残りやすい。あ音は、積極的・明るい印象の音。ん音は共感を得やすい音だからだ。また男性は濁音が入った呼び名を好む傾向がある。たとえば怪獣やヒーローの名前には、ゴジラ、ガメラ、ガンダム、ゴレンジャーといった濁音が入った名前が多い。しかし、女性は濁音が気持ち悪いと感じる。ら音は好きである。