曹洞宗徳雄山建功寺住職で、庭園デザイナーとしても名前を知られる。2006年ニューズウイーク日本版「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれた。
行解相應 (ぎょうげそうおう) 自分ができることをやっておく
放下着(ほうげじゃく) すべて捨ててしまいなさい!本質的には「執着心」を捨てること。
而今(にこん) 「過ぎ去った時」「この瞬間」は二度と戻ってこない。「今」この瞬間を大切に生きなければならない。
日日是好日(にちにちこれこうにち) この一日は二度とない一日である。この一日を全身全霊で生きること。
「一笑千山青」(いっしょうすれば せんざんあおし)
悟ってしまえば、世界のすべてが生き生きと蘇る。身の回りに降り掛かる困難も笑い飛ばしてしまえば、目の前が開けてくる。
「琢玉当成器 人不學不道知」(玉磨けばまさに器を成す、人学ざれば道を知らず)
泥を落とし、翡翠を彫って磨けば立派な器になります。同じように人も日頃から色んなことに興味を持って学び続けないと、生きる道を知ることができない。
「一翳在眼 空華乱墜」(いちえいまなこにあれば くうげらんついす)
目にかすかな塵が入っただけで、幻の華が宙を舞い、乱れ堕ちてしまうように、心中に一念の汚れがあれば、煩悩になってしまう。
「対機説法」 相手の気質、理解力、力量に応じて、分かりやすく説くという教え。職場の上司や部下、同僚に不本意な言葉を浴びせかけられ、腹立たしい思いがするときに思い浮かべる。
「吾道一以貫之」(わがみちは いちをもって これをつらぬく)私が進む道は一貫していて、他に動じない。吾は吾。人は人。自分の輝く部分を少しでも早く見つけて、磨くということが大事。
「百花春到為誰開」(ひゃっか はるいたって たがためにかひらく)
自分の役割を見つけ無心に取り組むための心得。春に咲き乱れる花は、ただひたすら咲いている。無心に自らの本分、すなわち自らが成せねばならぬことを全うしているに過ぎない。
「自灯明 法灯明」 テロや報復の連鎖を断ち切るための教え
「非思量」 実体のない不安から逃れるための心得。心配とは、悪い方向に思い込みや予想をしてしまうから生じる。雪だるま式に心配が次の心配を呼び、どんどん膨らむ。これを断ち切るには、心を無にすることが大事。
「悉有仏性」(しつうぶっしょう)
すべての生あるものは仏性を備えている(仏になれる可能性を備えている)。仏性とは、「この大宇宙その中にある生きとし生けるものそのすべてをあらしめている働き」ということで、これは「本来の自己」とも言えるもの。誰しも仏性を備えているが、なかなかそれに気づくことができない。
「水広則魚遊」(水広ければ則ち魚遊ぶ)どんな仕事でも自分らしさを演出する工夫を忘れない。魚は川が広ければ自由に泳ぐことができる。川が狭ければ魚は真っすぐ泳ぐしかない。でも広ければ、いろんな進み方ができる。発想の幅を広げて仕事に取り組むことで、様々な結果へ辿り着くことができる。
「常行一直心」(つねにいちじきしんをぎょうず)
一つのことに徹底的にのめり込んで突き進むことを指す。物事を成し遂げることを、仏教では「明らむる」とも言う。「諦める」と似た語感だが、後ろ向きな言葉ではない。とことん突き詰めて物事が持つ本来の意味を明らかにしていけば、自分の生き方に揺るぎない自信が持てるようになる。
「且坐喫茶」(しゃざきっさ)自分の器を見定めるための極意。
人はそれぞれ異なる大きさの"器"を持っています。当然のことながら、その器に入る容量は人によって異なる。余裕がないという人は、もうこの器の中に入りきれないほどの仕事を抱えているということ。
「前後際断」 集中力を高め仕事を一気に終わらすための心得
禅では一瞬一瞬が絶対的な存在であり、前も後ろも断絶していると考えます。「過去」「今」「未来」が続いているのではなく、それぞれが独立しているかのように断絶しているのです。今は成すべきことに集中する。この一瞬を、一息を生きることが大事です。
2015.08.24
「閑坐聴松風」多忙を乗り切るための心得
「閑坐聴松風」(かんざしてしょうふうをきく)という禅語があります。心が急いていれば気付かぬことが多い中で、 静かに坐して耳を済ませば、澄み渡った音が聴こえて来る。すなわち自然の真理が見えてくるという意味になります。
「知者楽水 仁者楽山」大きな器で臨機応変に対応する達人の知恵
「知者楽水 仁者楽山」(知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ)
いろんな知恵を得た人は、水が一カ所に留まる事なく円滑に流れるように、どんなことに対しても臨機応変に素早く動くことができる。仁を得た人は、心安らかで悠々とした静かな気持ちで構えられるので、同じようにゆったりと不動の山を見て楽しむことができる」という意味です。即ち、真の達人は、静と動を兼ね備え、どんな事柄にも即応して動くことができ、何事も楽しむことを知っているのです。
「風吹不動天辺月」(かぜふけども どうぜずてんぺんのつき)何 事にも動じない堅固な心の養い方
という言葉があります。どんなに強い風が吹こうとも、嵐が来ようとも、天辺の月は微動だにしません。月が周囲の状況によって動いてしまうことはないのです。人も、そんな月のように、何事にも動じない強さを持ちたいもの。
「昨日今日不同」 年齢を重ねた人が「体力」「気力」を補うための知恵
ある程度の年齢を過ぎると、徹夜などの無理がきかなくなってきます。自身の体力の低下には気づいているけど、それを認めたくないという人も多いようです。しかし、そこで無理をすると物事はうまく進みません。
「孤雲本無心」(こうんもとむしん) 人脈を広げるための正しい心構え
大空に浮かぶ雲は、何のこだわりもなく形を変えて流れて行きます。人の心も雲と同じように囚われることなく自由自在に動いていくのが理想、という意味です。人脈作りもこれと同じです。
「深知今日事」(ふかくこんにちのことをしる) 自分の力量を知り、時間をコントロールする技術
今日のこと、すなわち目の前のことを深く知り、それに集中して精一杯、力を尽くすという意味です。複数の仕事をこなしていく上で役立つ心得です。
「百花春至為誰開」(ひゃっかはるいたってたがためにひらく) 雑念を消し、丁寧に生きるための心得
春になると美しく咲き乱れる花はいったい誰の為に開くのか、という問いかけの言葉です。この「ただひたすら全うしている」ことに、人は感動を覚えます。禅で言えば、「自分の本分を全うしている」ということです。
「和顔愛語」(わげんあいご) 仕事で挫折した心を支え、夫婦円満を保つための秘訣
常日頃から柔らかい笑顔で、心のこもった穏やかな言葉遣いで人と接することを心掛ければ、気持ちは自然と和らいでいく、という意味です。
「悟無好悪」(さとれば、こうおなし) <SNS症候群>から抜け出すためのヒント
「遊戯三昧」(ゆげざんまい) どんな仕事もクリエイティブな発想で楽しむと天職になる
どんな仕事も「仕事」と思うのではなく、「遊び」にならなければいけない、という意味です。ここでいう遊びとは、損得関係なく最大限没入して楽しむ、ということです。
2015.03.23
「白雲自在」人間関係の悩みをシンプルに解決する方法
「白雲自在」(はくうんじざい)という禅語があります。白雲自体にはこだわりがなく、自由自在に風とともに空を流れていきます。強風が吹いても動じずに流れていく白雲と同じように、人間の心も自由無碍にしておくことが大事になります。
「喜色動乾坤」(きしょくけんこんをうごかす) 周囲の人を穏やかにし、自分の"イライラ"も軽減する方法
「喜びに満ち溢れた人は、天地を動かすほどの力を持っている」という意味です。いつも穏やかで嬉しそうな表情をしている人のところには、多くの人が集まってきます。
「水到渠成」(すいとうきょせい) リーダーが部下をまとめていくための心得
水が流れるところには、自然と渠(みぞ)ができるという意味です。人間も無心になってひたすら成すべきことを成していれば、必ず道は開けてくる、とも言えます。
「調身・調息・調心」 正しい姿で坐禅を組めばざわめく心も鎮まる
正しい姿勢を保ち、正しい呼吸法で坐禅を組めるようになれば、心身ともに整う、という意味です。心が整えば、不安や悩み、怒り、嫉妬といった"イヤな感情"は軽減し、ざわめく心も鎮まります。仕事に集中しやすくなりますし、思考に行き詰まった時の頭の切り替えにもなるでしょう。
「同事」 同期や同僚の出世を共に喜ぶ気持ちが自分を高める
自分にとって身近な存在である同期や同僚が出世していくと、羨ましいという気持ちや、嫉妬心を感じるビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。ライバルが先に出世をした時に大事なのは、「よかったね」と素直に喜んであげられる度量を備えることです。
「行解相応」(ぎょうげそうおう) 理念と行動が一致する上司に部下は共感を覚える
「理念」と「実践」が一致していることが何よりも大事であり、人はそういう人に信頼や共感を抱きます。リーダーになって部下のマネジメントに迷われている方は、まず言葉で指示する前に、仕事に対する考え方や価値観などを示し、仕事に向かう自らの姿勢を、部下たちに見せてはいかがでしょうか。
「感応道交」(かんのうどうこう) 心を通い合わせる関係を持って困難を乗り切る
師と弟子たちがお互いを信じ合い、心を通い合わせるような関係を持つことを意味します。
「処処全真」(しょしょぜんしん) 何事も無心に徹すれば真実が現れてくる
見るもの、聞くもの、現前しているものはすべて「あるがままの真実の世界」であるという意味です。...
「大地黄金」(だいちおうごん) 今いる場所を黄金に輝かせる努力をする
自分が置かれている場所で、精一杯力を尽くせば、その場所が黄金のように輝いてくる、という意...
「露」(ろ) ありのままにすべてを出せる関係の大切さ
すべての心をむき出しにする、という意味です。会社では役職や立場があり、それに合わせた役割が求められます。...
「形直影端」 身だしなみが整うと気持ちも自然と整う
身体(形)が正しければ、お日様にあたった影までもきちっとしたものである、という意味です。つまり、身だしなみが整え...
「主客一如」(しゅきゃくいちにょ) 相手の立場で考えると事態は好転する
主客とは、主人の主なお客様。もてなす主人ともてなされる客人が一体となる。つまり、もてなす側...
「如是」(にょぜ) 相手を受け入れ、自分の在り方を変えてみる
このまま、その通りにという意味です。諸々の現象や物質がそのまま真実そのものであることとして、それを受け入れ肯定する...
「少水常流如穿石」 今日の積み重ねが成果を生む
いつ命が尽きるのか分からないだけで、人は生まれたときから100%死ぬと分かっています。そうであるからこそ、いつ旅立っても悔いが残らないようにするた...
「一行三昧」 ルーティンの中から変化に気づく
ミスを防ぐための意識や仕組み作りは大事です。周りに頼んでダブルチェックし合う体制を築くなどの工夫も必要です。
「冷暖自知」 上司が部下に接するときの心得