マリア・ヴァレフスカ伯爵夫人(1986-1917)は、偉大な愛国者の一人として1970年にポーランドで切手になった女性である。通俗的にはナポレオン一世の愛人だったことで知られるが、最初は自らの意思で愛人になったのではない。
1806年ナポレオンがワルシャワを訪れ、時の外務大臣タレーラン主催の舞踏会でマリアに出会って一目ぼれした。彼は花束や手紙を送り求愛したが、貞淑で信仰心の強いマリアは、これをことごとく無視した。
しかし、ポーランド復興の期待をナポレオンにかけた、スタニスワフ2世(ポーランド・リトアニア共和国最後の国王)の甥をはじめとした多くのポーランド人たちが伯爵家を訪れ、ナポレオンの求愛に応えてくれるよう頼んだ。夫のヴァレフスカ伯爵もこれを了解し、マリアはナポレオンの愛人となったのである。