推理小説

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夏樹静子さんが一昨日亡くなった。享年77歳。若い頃、「蒸発」や「Wの悲劇」を読んで楽しんだ。「蒸発」で日本推理作家協会賞を受賞した。「Wの悲劇」は薬師丸ひろ子主演で映画化された。ただし映画の筋は小説とは異なるオリジナルになっていた。

推理小説は若い頃から好きで、社会人になって東京青山で新人SE教育を受けた三ヶ月間、通勤電車や日中の休憩時間には必ずといっていいほど推理小説を読んでいた。高校・大学時代は、日本の純文学(明治大正時代の小説)、世界の名著(中央公論社のシリーズ世界の文学)を読み漁ったものだが、社会人になるとなぜか純文学は読まなくなった。

本屋に行くよりも駅の売店に置いてある文庫本を買う。単行本よりも安価で持ち運びが便利だからだ。松本清張、森村誠一の小説は片っ端から読んだ。その後、海外の推理小説、戸川昌子、夏樹静子の小説を読むようになった。

夏樹静子の作品でいちばん記憶に残るのは「Wの悲劇」である。エラリー・クイーンの「Xの悲劇」、「Yの悲劇」、「Zの悲劇」の読んだ後だったので、よく似た題名に惹かれたからだった。後で知ったのは、そのことは夏樹静子も分かっていて発表前にエラリー・クイーンの了解を取ったそうだ。

純文学は何度か読み直すが、推理小説を読み直すことは少ない。犯人の推理や謎解きに醍醐味を感じるからだ。犯人や謎を知ってしまうと終わりだが、何年か経つと、その筋書きも、真犯人や謎のことを忘れてしまう。そんなときに読み直すこともある。最近では、松本清張や森村誠一の小説をドラマ化したTV番組(再放送)が多いようで視聴することがある。内容はまったく覚えていなかったので興味深く見れた。

松本清張・森村誠一に次いで読んだのは、笹沢佐保・内田康夫・東野圭吾だった。それぞれ100冊以上(笹沢作品は200冊以上)読んだので、他の作家の本も含めると500冊以上の推理小説(長編)を読んだことになる。ほとんどが文庫本で電車の中で読んだ。

作家ごとに作風というのがあり、十数冊くらいで読んだ後は、途中で先の展開がなんとなく分かるようになるものだ。中でも内田康夫作品(浅見光彦シリーズ)は分かりやすい。題名のほとんどが「XX殺人事件」となっているのが特徴で、数十冊目くらいからは過去に読んだ本を読んでいないと思ってまた買ってしまうことが何回もあった。笹沢佐保作品でもそうだったので、途中から読んだ本の一覧を作るようにした。どこかのサイトにそのファイルが残っているはずだ。