権力は腐敗する

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権力を持った人間は慢心して腐敗していく。歴史的事実といっていい。連日報道される都知事の不祥事は嘆かわしいことだ。"第三者"に依頼した調査結果が昨日公表された。舛添要一氏は"第三者"というが、実際は本人が"雇った弁護士"である。

弁護士が調査結果を説明した。「不適切だが違法性はない」ということが何度も出てきた。「政治資金は何に使ってもいい、領収書を添付すれば違法ではない」(政治資金規正法)ということはすでに何度も報道されている。都民が怒っているのは違法性云々ではなく、公人が行った公私混同の不適切な行為である。

"第三者"に依頼しないと、不適切かどうかを判断できず説明責任を果たせないということだけで、都知事の資質がないとみなされても仕方がない。時間と金をかけて調査した結果は、あらためて聞くまでもなく前もって分かるようなことだった。

弁護士は「不適切というのは常識では考えられないこと」だという。とすれば、非常識なことと同義である。「違法でなければなにをやってもいいのか?」と怒る都民の声もある。非常識な舛添要一氏を都知事に選んだ都民の後悔があるように見受ける。
※アンケート調査では、93%の人が納得していない。辞任すべきという人は84%。

「不適切」なことが一つや二つではない。何十件も報道されている。宿泊代(家族旅行など6件)、飲食代(14件)、美術品購入代(106点)だけでも「不適切な支出」が数百万円を越えている。書籍代は1000万円を超えており、漫画本など公費で買うのは不適切な書籍がたくさんある。

どうみても一般常識では考えられない行為が目立つ。報道から知りうるだけでも、舛添氏の人間性に疑問を持つ人は多いと思う。非常識な人を都知事にしておくわけにいかない~と思う人が多いのは当然だろう。

「クリーンな政治」、「公私混同は罰せられるべき」、「税金の無駄遣いは許せない」などと発言していた人間が、まさに不適切な行為を繰り返してきた。代表質問でも「道徳観、倫理観に疑問があり、是正すべきだと進言してきたが、無視されてきた」と冒頭で指摘していた。

自分を擁護しようと、時間稼ぎや言い逃れをすることほど見苦しいことはない。権力の座に固執すること自体が、腐敗した人間の証左である。もっと早くに辞任して、潔さを示すべきだっただろう。