NHKスペシャルで「巨大危険」が放送。第1集は「異常気象との闘い」である。猛暑が続き、豪雨をもたらす台風が日本列島を襲う。その背景には地球温暖化がある。
台風の勢力が強まる地点が過去30年間(1982~2012)で北へ150km移動した。8月に発生した台風10号は東北の太平洋側に上陸した。観測史上初めてのことだった。猛暑が全国各地で続き、東北や北海道では例年の2倍以上に増えた。
温暖化がさらに続くと、東京の最高気温は、2030年代には摂氏43度に達するという。大阪や仙台も40度以上、名古屋では45度近くに達するおそれがある。雨量も増加の一途で、ことし東京で記録した一日の最大雨量は100mm程度、温暖化が進むと300mmを超えることになる。経験したことのないような雨が襲う。
温暖化は2000年代に横ばいになったが、この数年で急速に加速している。北半球の4分の1を占める永久凍土が溶け始め、地中のメタンの放出量が増えている。温暖化効果ガスに占めるメタンの割合は16%であるが、これには地中のメタンは含まれていない。メタンの温暖化効果は二酸化炭素の28倍である。この傾向が進めばもう後戻りができないことになる。
積乱雲は通常数キロから数十キロの大きさだが、これが数十キロから100キロに及ぶ巨大積乱雲がスーパーセルと呼ばれる。十数分で急速に成長し、局地的な豪雨と雷をもたらす。雷サージが建物に侵入し電子機器を破壊する事態が起こるリスクが高まっている。高度情報化社会にとっては大きな脅威である。