テレワーク制度

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テレワーク制度導入企業は16.2%にとどまっている。政府は今年末を目処にテレワーク推進の政策をまとめる予定だ。 在宅勤務で生産性・効率性の向上を目指して、「日本テレワーク協会」の前身である「日本サテライトオフィス協会(任意団体)」が設立されたのは 1991年のことである。2000年に「社団法人日本テレワーク協会」に名称変更している。2016年10月20日現在、207企業・団体(正会員73、賛助会員134)が加盟している。

当初は、団体名が示すように「サテライトオフィス」というハコモノ行政で、在宅勤務の概念はなかった。2000年に帰国したとき、F社から出向した人から相談を受けたことがあった。そのときも在宅勤務を容認する企業はほとんどなかった。一部の外資系企業の一部門にその考え方が導入された程度だった。米国(とくにシリコンバレー)ではすでに1980年代後半には取り入れられていた。目標管理(MBO)・成果主義が適用されるexemt-employeeについては、在宅勤務を認めることがあった。

米国シリコンバレーで勤務していたとき、1985年にはじめて現地で人材を採用した。翌年からはソフト開発者の採用をはじめ、さらにマーケティングやセールスの専門家を採用した。各分野の専門家は全員exemp-employeeで、成果主義の対象者である。半期ごとに目標内容、達成方法、達成するための知識・スキルを向上する訓練プログラムなどを決め、上司と部下の間で合意する。

これが決まれば半年後、一年後までは進捗・達成度・阻害要因・課題などをチェックするだけだ。もちろんビジネス環境が変われば目標を再設定することがあるが、原則的には自主管理・自主責任に任せられる。上司は部下が目標を達成するための支援を行う義務と責任を負う。日本のホウレンソウ(報告・連絡・相談)はそれほど重視されない。プロセスよりも結果がすべてだという考え方だ。

結果を出すためには、部門の長は自ら、組織と個人の達成目標の設計をする(その能力がある)ことが大前提である。日本の企業では、目標管理・成果主義といいながら、上司は組織と部下の目標を設定せず、部下に書かせているのでは本末転倒であり、MBOも成果主義も実践できない。

米国的なMBOが実践されているシステムであれば、従業員(exenpt-employee)は、いつどこでどのように働いても良い。オフィスであろうが自宅であろうが、喫茶店や公園であろうが構わない。残業の概念はないから、働く時間も自由である。すべて従業員の裁量に任せられる。

今日のニュースで、日本マイクロソフト社のテレワークが紹介されていた。政府も、男女共同参画社会の実現に向けた施策のひとつとして、テレワーク制度の促進・普及を図ろうとしている。内閣府の調査によれば、女性の53%が出産後も働き続けると回答している。平成4年に始まった同じ調査ではじめて半数を超えた。