福山城(バス)~鞆の浦(船)~仙酔島~鞆港(船)~千光寺公園~尾道駅
総歩数 24,461歩 (福山~鞆港 15743 + 尾道~広島8,718)
1.福山城跡 08:00(散歩)~福山駅バス 9:20発~鞆の浦バスセンター 9:48着
2.連絡船 10:10発~仙酔島 10:15着~ 大弥山ハイキング~彦浦~海岸遊歩道(約3時間40分)
3.仙酔島 13:56発~鞆の浦散策~鞆港 14:40発~ 鞆~尾道航路クルージング(約50分)
4.千光寺前 15:30着~ 千光寺公園に登り文学の小路を散策(約3時間)
5.JR尾道駅 18:44発~ 広島駅 20:15着 (APAホテル泊)
昨夜は夕方に大阪を発ったため福山には遅く着いたが、それが幸いして雨が上がり、思いがけずライトアップされた福山城と夜桜を見物できた。ホテルにチェックインしたのは10時過ぎになり、旅の記録も書いていたので就寝が遅くなった。今朝はちょっと遅く8時にチェックアウトし、また福山城に行った。桜は散りはじめで今日は休日最後のお花見になるからだろう、すでに数組が陣取りをしていた。
福山城は、西の要として水野氏が1620年に築城した平城だという。戦時中に空襲でほとんどが焼失したが、伏見城から移築した櫓門だけが残った。重要文化財に指定されている。
ホテルで観光名所を聞いたら、鞆の浦があるという。すぐそこに行くことにした。内田康夫の浅見光彦シリーズで「鞆の浦殺人事件」という推理小説を読んでいたので、その名前にピンときたからだ。福島駅9時20分のバスに乗った。約30分で鞆の浦バス停に着いた。目の前にあった観光情報センターで聞く。鞆港から尾道までの海上クルージングがある。土日のみで一日2便、11時と14時40分だ。料金は1500円。14時40分まで4時間半以上ある。あまり見るところがなければ福山に引き返すことも考えて、とにかく歩き出した。
防波堤の上で釣りをしている人がいた。至近距離に島があって二重の塔が見える。聞くと弁天島という。船が出てるのかを問うと「あそこから出ている」というので行ってみた。数分後に出航だ。往復240円なので乗ることにした。弁天島を通り越してその裏手のほうにある島に着いた。
ここは 仙酔島という。案内板があった。仙人が上空を漂って眺めていたら、余りにも美しいので酔ってしまったということから仙酔島と呼ばれるようになったという。海岸沿いの道と山腹を走る道があり、ちょっとしたハイキングコースになっている。10分ほど歩いたところに国民宿舎があり、その前には白浜が広がっていた。左手の山の裾野に桜の群れが見えた。広場を突っ切って行ってみるとキャンプ場だった。そこの桜が満開だった。
キャンプ場のすぐ近くに「仙人ヶ岳コース」とあったので、その道を登っていった。結構急なのぼりだったが、十数分くらいで、仙人ヶ丘というところに着いた。リュックを下ろし、しばし鞆の浦の眺望を楽しむ。緩やかな下りになる。瀬戸内の海と島々を眺めながら散歩気分だった。十数分くらいで右に降りる道があった。「美人の湯~」の案内があった。まだ下るのは早いと思いそのまままっすぐ進んだ。人気のない道で次第に高度が上がっていく。
30分ほど歩いたとき「この先行き止まり」になっていた。まっすぐ行けば烏見山展望台に出るはずで、そこから海岸線に下りようと思っていたのに残念だ。左に道があった。「大弥山」と書いてあった。海岸沿いの道にでる方向とは逆になるが、引き返すのも味気ないので大弥山に登ることにした。リュックは10キロくらいだが上りになると重力に逆らうので重くなる。かなりきつい登りで数回立ち止まり、汗をぬぐい息を整えてのぼった。木の根に足を取られこけそうになったり、コケの上で滑ったりもした。
30分ほどで頂上に着いた。一組の男女がいた。「岬の先にある展望台に降りられると思って歩いてきたが途中で行き止まりだった。ほかの道はないか知りませんか?」と聞いてみた。女性がタブレットを取り出し地図をチェックしてくれた。まっすぐ下ると国民宿舎のほうに出るのでまったく逆方向に来たことが確認できた。途中で左へ行く道があって、それが仙人ヶ丘からきた道に合流する。結局渦を巻いてUターンするように歩くしかなかった。そのまま帰ってもよいがまだ時間がある。鞆の浦の歴史的町並みを見学することも考えたが、やはり山と海を選択してしまう。
1時間半ほど寄り道をしたが、やっと美人の湯に至る道に戻って海岸に下りた。きれいな砂浜が広がっていた。あきらめなくて良かった。浜辺にほとんど人影はない。気がつくと女性が一人、裸足になって砂浜に屈んでいた。なにかと思えば、小さな貝殻を拾って、絵文字のように並べていた。心癒される光景だった。聞こえるのは打ち寄せる静かな波の音だけだ。
話しかけると、気さくな女性で受け答えがしっかりしていて好感が持てた。宝塚から今日来て、今日中に帰るという。この場所がいたく気に入ったようで、「また来てここに泊まってゆっくりしたい」という。さもありなん。私も気に入った。1泊か2泊していくつかのハイキングコースを歩くのも悪くないし、浜辺で波と戯れて一日中のんびりするのもいい。寝転がって波の音を聞きながら本を読むのもいい。
写真を何枚も撮った。どうしても彼女が入る。遠景のなかで顔は分からないが、なんだかプライバシーを侵害しているような気がした。「人がいたほうが絵になるので撮ってもいいですか?顔が写らないように後ろ向きでもいいので」と声をかけた。「いいですよ」と笑顔で即答してくれた。こういう人との出会いはうれしいものだ。それが一期一会というものだ。
しばし談笑した後、烏ノ口展望台に向かった。緩やかな登りで10分足らずでついた。東屋があって、40歳前後と思しきカップルが休憩していた。広島から鞆の浦まで車できたという。頼まれて二人の写真を撮ってあげた。西側に島が点在し、鞆の浦を眺めることができる。時刻は13時を過ぎた。渡し舟の待ち時間も考慮に入れて、鞆港14時40分発の尾道行き船便に間に合うために引き返す時間になった。
彦浜の浜辺で貝殻を並べていた女性に別れを告げ、帰りは海岸線遊歩道を通ることにした。案内板によれば、9千万年前の火山活動の噴出物が積もってできた流紋岩凝灰岩、火山活動が小休止する前に堆積した仙酔層、マグマが脈状に貫いてできたひん岩などを目の当たりにできる。波により岩が侵食されてできた海食洞もいくつかあり、地球変動の痕跡に触れることができる。
乗船場まで10数分くらいだった。13時55分発の船に乗る。降船場から鞆港までは徒歩10分もかからなかった。鞆~尾道クルージングの船が出る桟橋を確認した後、港の風景写真を撮ったりしながら時間待ちをする。
鞆港14:40発~千光寺15:30着
8:00福山城跡~9:20福山駅バス~9:48鞆の浦バスセンター~10:10連絡船~10:15仙酔島~13:56仙酔島~14:40鞆港~15:30千光寺前~18:44JR尾道駅~20:15広島駅