伊勢石橋

 近鉄大阪線は榛原から青山高原まで登りが続く。三重県に入ってもしばらくは山間の中を走り、伊勢中川で平野になり視界が開ける。中川で名古屋行きに乗り換える。田園地帯を過ぎると市街地になり名古屋まで続く。途中で降りたいと思う駅がないので素通りしている。名古屋からの東海道本線も中央本線も降りたい駅がなくなってしまった。

どこに行くか思い当たらないことが多くなった。今朝も行く当てもなく電車に乗った。山間を走る電車の窓外を見ていると飽きない。室生寺も赤目四十八滝も訪ねた。三重県側の青山高原は7~8回途中下車している。伊賀上野も行った。そんなことを考えながら窓外をみていたら駅の近くの森にまっすぐ登る階段が見えた。どうも神社らしい。そう思って飛び降りた。伊勢石橋という駅だった。

階段登り口まで徒歩5分足らず。案内を見ると不動院だった。登りきると普通の民家が建っているだけだったが、その横の狭い道を進むと裏手に小さな本堂があり、小振りの鐘楼もあった。「日嶽山不動院」と書いてあったが由緒の案内はなかった。

鐘楼の横に登り口があった。裏手に坂道が続いていた。苔むしており足場が悪く滑りやすい。二度も滑って転んでしまった。急斜面に石墓がいくつか建っていた。ひときわ大きい石塔を見ると、「開山 律師妙海」と彫りこんであった。

緩やかな丘を一周するように山道が続いており、道脇に一対の石仏(地蔵と不動明王かな?)が何十対も並んでいた。およそ50対はあるだろう。丘の上に祠があった。案内がないのでどういう謂れなのか分からない。人に会うこともなかったので訊くこともできず不明のままだ。

山の東側は見晴らしのきく田園風景になっていた。その中を近鉄の電車が走り抜ける。伊勢石橋駅に停車する電車は1時簡2本だが、特急や快速急行もあるので往復数えると十分間隔で電車が通る。にわか鉄道オタクになって動画を撮った。こういうオタクを「撮り鉄」というらしい。

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2015

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