山科駅で途中下車した。駅前で地元の人に聞くと、天智天皇陵があるというので行くことにした。琵琶湖疏水沿いの道をしばらく行くとヤマザクラの古木があった。季節はずれで花はまだまだ先だが、咲けば見事だろうと思わせる大木だった。山里の川沿いで湿気が多いからだと思うが、その幹は苔に覆われていた。
ぶらぶらと40分ほど歩き、一度住宅街にでて迂回すると天智天皇陵への入口があった。こんなところに天智天皇陵があるとは知らなかった。大化改新を成し遂げた天皇なので飛鳥地方に陵墓があるのだと漠然と思っていた。
歴史を調べると、白村江の戦いで大敗を喫した後、近江大津宮に遷都している。4年後に崩御したので、近江近くに葬られたということだ。JR湖西線に大津京という駅がある。山科の隣りだったので寄り道をした。
大津京跡
2008年に西大津駅から大津京駅に改称された。駅員に「大津京はどこですか?」と聞くと「ここです」と言われてしまった。歴史や旧跡に関心がないのだろう。駅員はサラリーマンで、駅近くの地元の人ではないからその土地のことは知らないのが普通だ。とはいえ公共機関の勤め人なのだから、乗客が知りたがるような情報、知識は持っていて欲しいものだ。
グーグル地図で調べ、見当をつけて歩いた。丘の斜面に皇子が丘公園があった。人影がない。丘を登りきると住宅街があった。道行く人に聞くが、大津京がどこなのかを知っている人はいなかった。旧大津陸軍墓地や皇子山古墳があった。日が暮れてきた。今夜の宿を探さないといけない。携帯のバッテリが低下していた。お腹の中に入れて暖める。電話は無理だが、ネットはなんとかつながった。
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