午前中雲が多かったが、午後になって晴れ間が広がった。談山神社(たんざんじんじゃ)に行くことにした。数十年前に帰郷したときに妹が車で連れて行ってくれたことがあるが、どんな神社だったのかほとんど記憶にない。
中大兄皇子と藤原鎌足が密談をした場所だという歴史の話くらいしか知らなかった。訪れることでその土地の文化と歴史に触れることができ、日本の源流の一端を知ることができる。
刈り取られた稲田と二上山を眺めながら、最寄り駅まで自転車で行く。駅横の堤の紅葉が見事だった。1時間に2本にしかない電車を待つ間に写真を撮った。むかし毎日通っていたときはまだ木が小さかったからだろうか、これほどの紅葉には気がつかなかった。新鮮な発見だった。
近鉄電車に乗って15分ほどで桜井駅に着いた。駅員に聞くと駅前からバスがでているという。紅葉シーズンは臨時バスがでるが、通常は一時間に一本しかなかった。窓外を流れる効用を楽しみながら、およそ30分で多武峰(とうのみね)入口に着く。バス停近くの階段を登り、緩やかに下っていくと5分ほどで境内入口に着く。
140段の石段を登ると本殿入口で、左に行けば十三重塔、右に行けば恋神社がある。
本殿から眺める紅葉は見事で、何枚も写真を撮った。盛りは過ぎていたが十分に見ごたえがあった。談山神社は別格官幣大社で藤原鎌足を祀っている。公式ホームページによれば、本殿の裏山にあたる山(談い山、談所ケ森)で大化改新の秘策を話し合ったという。今日の「談合」の語源である。十三重塔の西側に登山口があり徒歩15分くらいである。
日本には15万~20万の名字があるが、このうち約4000が藤原氏の氏族である。私も遠い祖先をたどれば鎌足にたどり着くのかもしれないと思うと、祭神に手を合わせ敬意を表さないといけない。