午前6時起床。雨模様だったので東海道線の途中下車はあきらめ名古屋まで直行した。10月は青春18きっぷが発売されていない。名古屋で近鉄に乗り換えて大和八木で下車した。お目当ては藤原京だった。一面のコスモス畑があると妹が教えてくれたので行ってみることにした。八木駅から徒歩30分ほどだが、懐かしい登校路や母校に寄り道したので1時間近くかかってしまった。
藤原宮跡の北側に醍醐池があった。その堤防は桜並木になっていた。西側の畑にオレンジ色のコスモスが咲いていたがほとんど終わっていた。真北に耳成山が見える。ここが妹が言っていたところだと勘違いした。池の道路を挟んだ南側に藤原宮跡があり、その南一帯に広大なコスモス畑があった。
時刻は夕刻5時を過ぎていた。うす曇でときどき青空が見えたが夕暮れの光は淡く、コスモス畑の写真はうまく撮れなかった。草原とコスモス畑が広がり東方には天香久山が横たわっていた。北に耳成山、西に畝傍山が見える。「ここが1300年前の都だったのか!」と思うと感慨深いものがある。
母校から藤原宮へは徒歩15分くらいである。耳成山は近鉄電車線路を挟んで徒歩10分くらいで、体育の授業などで何度も登ってよく知っていた。しかし、天香久山がどこにあるのか知らなかった。ましてや藤原宮についてはその存在さえ知らなかった。
※追記~この場所が気に入って、その後何度も自転車で来ることになった。
「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」を世界遺産に登録しようとする動きがある。個人的には登録して欲しくないという気持ちがある。団体観光客に汚されたくないからである。なにもない草原と山だけが静かに佇む風景を大切にして欲しい。知る人ぞ知る人たちだけが古代の情景を思い浮かべ、静かに憩える場所として保存して欲しい。