関西本線・大河原駅に降り立つと、木津川の対岸に小高い丘が見える。恋路橋を渡って坂道を上ったところに恋志谷神社があった。駅から徒歩10分くらいである。2時間ほど過ごした後、大和に帰った。GPX 2.8km 関西本線http://goo.gl/8YngkQ

関西本線・大河原駅で下車した。降りたのは私だけで、乗ってくる人もいなかった。無人駅だった。木津川に沿って大和街道(国道163号)が走っている。駅前に「恋路橋」の標識があった。街道を西にしばらく歩くと下方に橋が見えた。河川敷に降りて橋を渡り、緩やかな坂道を登っていくと恋志谷神社があった。
こんな伝説が残っている。鎌倉時代末期、統幕を企てた後醍醐天皇が笠置山に入った。伊勢で病気療養中だった妃が天皇に逢いたくて駆けつけた。しかし、すでに天皇は笠置を後にしていた。妃は長旅の疲れで持病が再発し、「恋しい、恋しい」といいながら亡くなった。
「恋焦がれ、病に苦しむのは私一人で十分。みんなの守り神になりたい」と遺言を残した。村人たちは妃を哀れんで祠を建てて祀った。最後まで「恋しい」と言い続けたことから、愛着を持って「恋志谷さん」と呼んだ。それが神社の由来だそうだ。
現在地は、木津川を挟んで大河原駅の南対岸に森を背にしてひっそりとある。天満宮など13社が合祀されているが、もともとの恋志谷神社は西側の山中にあったそうだ。明治期にいまの場所に祀られ、恋愛成就・子授け・安産の神として知られるようになった。

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