
岩国駅に4時20分に着いた。駅についてはじめて、岩国といえば"錦帯橋"だと知った。駅前からバスがでていたので飛び乗った。山のてっぺんに岩国城が見えた。ロープウェイがあるがすでに終わっていた。 この後、思いがけない出会いがあり、楽しい歓談と夜桜見物、そして青色光に照らし出された美しい錦帯橋を眺めることができた。


広島・比治山公園で知り合った地元の人たちの勧めもあり、安芸の宮島は翌朝に行くことにした。広島でのホテルが満室だったので空き室があった岩国駅前のホテルを予約した。
広島駅から山陽本線で14駅、約50分。岩国駅に16時20分に着いた。錦帯橋の案内があった。駅前からバスが出ている。先にホテルにチェックインして荷物を置いてからと思ったが、35分発のバスがあるというので飛び乗った。
15分で錦帯橋バス停に着いた。錦帯橋の姿が目に入る。右手上空に岩国城が見えた。切符売り場で聞くと、ロープウェイは終わったという。
錦帯橋の名前は知っていたが、岩国城のことは知らなかった。調べると、関が原の戦いの後、米子からこの地に3万石で封じられた吉川広家が築城した「横山城」だ。1608年に完成したが、江戸幕府の一国一城令によりわずか7年後に廃城となった。現在の天守閣は、1962年に復興された。
標高200mなので徒歩で登れないことはないが、何の下調べもしていなかったし、時間的にも無理があるのであきらめて、錦帯橋周辺を歩きながら写真を撮った。
日が翳ってきた。逆光を避けて橋の北西に移動するが、川辺の桜並木はすでに日陰になっており、きれいな写真は撮れなかった。屋台のおでんを食べながら地元のおばさんと話をする。大阪の出身だというので話がはずんだ。
夜7時からライトアップされる。今夜も青色の光だと思う~と教えてくれた。あと1時間半あるが、このまま帰ってもつまらないので待つことにした。岩国城ロープウェイのある方向にぶらぶら歩いていると、「お一人ですか?」と声をかけられた。
いきなり「ステーキは好きですか?」と聞くので好きだと答えると「ステーキを焼いているので食べていってください」という。夫婦らしき二人が椅子とテーブルを構え、携帯ガスコンロでステーキを焼いているところだった。
彼女が妊娠して好みが変わりステーキを食べられないから一枚余るということだった。「団塊世代じゃないですか?同い年くらいだと思う」と気さくに話しかけてくる、人柄の良さそうな人だったので、遠慮なくステーキをいただくことにした。
それが始まりで3時間近く話し込んでしまった。能登の家(別宅)から九州まで一ヶ月キャンピングカーで旅をしているという。能登への帰り道で岩国に寄ったのだそうだ。