
ぶらり旅で東海道線に乗ると、熱海で乗り換えることが多いので何度も途中下車した。お目当ては源泉掛け流しの日帰り温泉と熱海ブランドの温泉まんじゅうだ。乗り換え時間に余裕があるときは駅前にあるお気に入りのレトロな喫茶店でまったりする。しかし熱海周辺を観光したことは無かった。一度だけ海岸近くまで降りて夜景を見たことがあるが、昔車から見た貫一お宮の松がどこにあるかさえ分からなかった。
横浜から快速に乗れば1時間10分で熱海に着く。東京へ出かけるのとさして変わらない距離だ。最初は、熱海梅園の梅を見物しようと思ったのだが、ウェブで調べると面白そうなところがいくつかあった。
錦ヶ浦
ひとつは名勝「錦ヶ浦」だ。その昔、自殺の名所!?という不名誉な話を聞いたことがあったが、いまは一大リゾート地になっている。「アカオリゾート公国」というサイトを見ると、ホテルニューアカオの所有地で25万坪あるという。錦ヶ浦を眼前に見ることができる海岸に聳え立つリゾートホテルで、数年前に熱海の海岸から右手方向に眺めたホテルだった。
アカオリゾートガイドに日帰りレジャーの案内がある。これを利用すれば熱海駅からホテルまでの送迎バスが使え、ホテルからアカオハーブ&ローズガーデンにも行ける。ウェブにあるチラシを使えば1350円で「日帰り入浴」を楽しむこともできる。写真はホテル隣りから眺めた錦ヶ浦で、白波がはじける岩礁と岩の間に根を張った自然の松が印象的だ。"馬の背"と呼ばれ、下部に岩の裂け目がある。源頼朝が愛犬を連れて岩の裂け目を通ったと言い伝えられている。
ローズガーデン
ホテル玄関からローズガーデンまで送迎バスがでているが、歩いても15分くらいだ。断崖の上を通る遊歩道を海を眺めながら歩いた。途中から自動車道になるが、よく整備された歩道があるのでのんびり散策できる。ローズガーデン入園券は通常1000円だが、Facebookアカウントで「いいね!」ボタンをクリックすると300円の割引きチケットをもらえる。ただし3月20日までのキャンペーンだった。これとは別にウェブ限定の割引券があり、800円で5人まで有効だ。
ローズガーデン入口から無料バスに乗って山の上まで行き、そこからのんびり下りながら見物する。季節はずれのためハーブもローズも見られないが、客が少なく静かな散策を楽しめた。バスを降りて少し上ったところに小さな祠があった。そこから順路をはずれ右手方向に道を分け入ると、眼下に菜の花畑が見えた。その向こうに錦ヶ浦の岩礁と熱海市街が見渡せた。みんなが行く道をちょっとはずれると思わぬ小道に入り、すばらしい景色に出会えることがある。今回も幸運だった。下って菜の花畑が見えたところを目指して、菜の花と梅の花、青い海の景色に見とれた。梅は5~7分咲きだった。満開になればもっと艶やかな景色になることだろう。