金谷の石畳坂


つぎの下車駅はまた金谷にした。ここで下車するのは5回目になる。はじめて歩く道はなくなったが、金谷峠の坂道を歩くのはいつも楽しい。車道に面した急な階段を登ると石畳茶屋の裏手に出る。ここで遅めの昼食にした。

茶屋の外観は変わっていないが建物の中は全面改装された。風情のあった土間はなくなり、全面板の床だ。靴を脱ぐのが面倒だ。手打ちそばを作っていた土間もなくなり、山わさびの入ったそばを味わうことはできなくなった。従業員は若い女性二人で、イタリアン中心の洋食屋になっている。がっかりである。「石畳茶屋」の名前にそぐわしい茶屋の風情を保ってほしいものだ。

洋食屋にがっかりしたせいか、旧東海道の石畳の風情も色あせてしまった気がした。すべらず地蔵尊から道を逸れて茶畑の真ん中で澄んだ空気を一杯吸い込んで引き返すことにした。

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