正月は横浜で過ごすため、年の暮れも迫った28日に大和を発った。また紀勢本線に乗ることにした。 いったん西に向かい南下して紀伊半島をぐるっと一周する。 串本の橋杭岩と新宮大社巡りをしようと大雑把に決めていた。

午前5時25分出発。曇り。気温2度。急ぎ足で駅に向かう。足のふくらはぎが痛む。冷えた筋肉が悲鳴をあげる。 53分発の電車にギリギリ間に合った。 JR高田6時9分発五条行きに乗る。五条、和歌山、湯浅、御坊、紀伊田辺で乗り換え、串本12時39分着。雨が本降りになったので潮岬に行くのをやめ那智へ移動した。 雨が上がり時間があったのでこの日のうちに那智大社に参拝した。
東海道線を使うときのように気が向いた駅で途中下車というわけには行かなかった。途中下車して駅周辺を散策といっても何もないところ、 民家の少ない山の中ではぶらっと散策していたら道に迷って帰れなくなる。追いはぎはいないがイノシシがいる。 駅に無事着いても一本乗り遅れると2~3時間待ちで日が暮れて宿の確保が難しくなるからだ。
湯浅駅
途中湯浅駅で30分ほど乗り換え時間があったので駅周辺を歩いた。湯浅は醤油発祥の地で、街中を熊野古道が走っていた。 紀三井寺から南下すると湯浅で高野山にいたる道と熊野詣の道に分かれる古来からの交通の要衝地だ。 天保年間に建てられた道標が残っていた。
向かいの果物・雑貨屋さんのおばさんに聞くと、熊野詣での道標では一番新しいものだそうだ。街の一角は伝統建築物保存地区に指定されていた。
串本駅
12時39分着。計6回乗り換え。最寄の駅まで徒歩30分も含め7時間の道のりだった。串本でのお目当ては橋杭岩だった。 出発前夜に環境省サイトの吉野熊野国立公園の案内を見て、その存在を知った。 海に杭を打ち込んだかのように、奇岩列柱25本が海上に一直線に並んでいる。国指定の天然記念物だ。
今にも雨が降りそうな空模様だ。駅前の観光案内所に立ち寄り地図をもらって橋杭岩までぶらぶらと歩いた。 約30分で着く。ちょうど干潮時で橋杭岩の周辺は干潟になっていた。曇り空で残念だったが、自然の造形美に感じ入った。
雨がポツリポツリ降りだし、やがて本降りになった。雨具を身につけ急ぎ足で駅に戻る。改めて駅前の案内板を見る。 帆船の彫像があり、トルコ友好の町と書いてある。1890年エルトゥールル号が遭難し500名以上の犠牲者を出した事件があった。 串本の住民が救難に尽力し、それがトルコとの友好の始まりになったとのこと。
時刻は14時25分。潮岬行きバスが32分にあったが本降りの雨で写真も撮れないので行くのを止めて、 那智か新宮へ移動することにした。幸いWiMaxが接続できた。那智大社に一番近い駅が那智だった。 駅周辺のホテルを検索すると一軒だけヒットした。駅から歩ける距離なので即予約した。