今井町

今井宗久(1520-1593)は三大宗匠のひとりで信長に重用された茶人であることは知っていた。堺の有力な商人であることも知っていた。しかし、彼が大和の今井町(現在の橿原市)の出身であることは、今井町をぶらついてはじめて知った。今井町そのものも江戸時代に隆盛を誇り、大和の富は今井に集まるとまで言われた存在だとは知らなかった。 ※大河ドラマでは、丹波哲郎、林隆三、小西博之が演じた。

高校時代、自転車通学で毎日のように近くを走っていたのに、そんな歴史のある街とは知らなかった。母校のすぐ南側一帯が平城京・平安京を凌ぐ規模の都城、藤原京だったことも近年になって知った。いずれも2009年からはじめたぶらり旅、ふるさと再発見の散歩で知ったことだ。その土地に生まれ育っても、近隣地区を含めた歴史的風土のことは知らないものだ。若いときは興味も関心もなかったということだ。

地元を訪ねるだけではその土地のことが分からないこともあるので、後であれこれ調べることもある。この写真を整理していて気付いたことのひとつに、重要文化財の豊田家住宅がある。今井町を歩いたときには、豊田家というのは江戸時代の今井町の豪商のひとつくらいにしか思っていなかった。じつはもともとは牧村家といったそうで、そこに宗久が茶室を建てた。それを、電力王といわれた松永安左エ門が戦前に買受けて小田原に移築した。それが黄梅庵である。松永も耳庵の号をもつ茶人であった。
※現在の黄梅庵は大仙公園内にある。仁徳天皇陵の隣り。松永の死後、相続人が堺市に寄贈した。

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