NHK取材班が2006年から撮影を続けた番組。第一集は2010年に放送された。第2集の第1回「謎の類人猿の王国」が2014年0月12日に放送された。第2回は11月19日の予定。地図
類人猿の一種、マウンテン・ゴリラが生息する。体重250キロを超える巨体で、シルバーバックと呼ばれるボス猿を中心に行動する。標高4000mの講座に拡がる森に暮らしている。その数800頭で絶滅危惧種に指定されている。
チンパンジーの子供はいつも母親と一緒だが、マウンテン・ゴリラの母親はしばしば子供をシルバーバックに預ける。子供たちは父親に見守られながら兄弟で遊び、知識や経験を身に付けていく。父としてリーダーとして君臨するシルバーバック。群れはシルバーバックによって穏やかに、しかし厳しく統率されている。
アフリカ最大の湖。アルバタイン地溝の東側では大地が沈み込み、そこに水が溜まってできた。ここに、すべての陸上動物にとって鍵となる生き物が生息する。「ハイギョ」で、その名の通り肺を持つ不思議な魚である。3億5千万年前からその姿を変えていない原始的な魚だという。魚から両棲類に進化した生き物に最も近い。水が干上がるような厳しい環境に適応するため、エラの機能を退化させ直接空気を取り込む肺を持つようになった。
ハイギョを主食にする巨大な鳥がいる。ハシビロコウだ。背丈は1m40cm、クチバシが異様に大きい奇妙な鳥だ。何の仲間なのか?まだよく分かっていない。
20世紀に発見されたボノボが生息? 研究者が撮影した映像がある。一頭のメスが子供を背負い、サトウキビを抱えながら二本足で歩いている。チンパンジーよりはるかに器用で直立二足歩行をすることができる。
チンパンジーはオスがすべてのメスに対して優位で、強い攻撃性によって社会の規律を保つ。ボノボではメスがオスと同等の社会的地位を持つ。チンパンジーは5頭くらいで行動し、群れを牛耳るのはオス。群れの中での順位やメスをめぐる争いなどは、威嚇や直接のケンカで解決する。圧倒的にオスが優位な社会だが、ボノボの社会は異なる。
ボノボはオスとメスが10頭を超える大きな群れをつくり皆で一緒に行動する。オスとメスの地位は対等で揉め事が起きることも少ない。
類人猿は子育てに時間をかけるよう進化した。出産期間が長くなり発情期間が短くなった。オスからすれば妊娠可能なメスが少なくなり、メスをめぐって争いが起きる。そのためチンパンジーでは競争に勝つためにオスは攻撃的な性質を進化させた。
ボノボはメスが奇妙な行動に出る。子作りとは関係のない頻繁な交尾である。メスは妊娠の可能性のない時期でもオスを受け入れる。見せ掛けだけの偽の発情をする。
偽の発情によって群れには交尾できるメスが増え、メスを奪い合うオス同士の争いがなくなった。「性交渉の許諾権を握るものが権力を握る」(京大霊長類研究所)。メスが集団のリーダーシップを握る社会をボノボは作り上げた。
高さ10mのジャイアント・セネシオ、意外にも菊の仲間。巨大な棒のような植物、ジャイアント・ロベリアはサワギキョウの仲間。日本のサワギキョウは50cmほどだが、ロベリアは3m。木のようにみえるが草である。
赤道直下にあるため四季の変化はなく、高山のため日中の気温は20度くらい。山頂部以外はあまり雪が降らず強い風もないため、植物は巨大化できた。
ロベリアの葉をが好物のキノボリハイラックス、大きなネズミのような姿だが、象の仲間。ロベリアの花の蜜を食料にしているタイヨウチョウは一日の1/3を食事に費やしている。
※湖に挟まれた地域は、日本では「クイーンエリザベス国立公園」と呼んでいるようだ。
総距離: 1501.73 km
多様な命が息づく有数のホットスポット
アフリカの鳥の半分以上、哺乳類の4割近くが見られる。自然も変化に富んでいる。
5000mを超える高山、麓に拡がる広大な湖や湿地、濃密で鬱蒼としたジャングル
カリンズ森林保護区 チンパンジー生息地
京大霊長類研究所フィールドワーク地?
人類に最も近い類人猿で、遺伝子のちがいは1%にすぎない。5匹足らずで群れをつくって行動し、食べ物をめぐって群れ同士で争うことが多い。とくにオスは非常に攻撃的で、群れの中の順位やメスをめぐってケンカを繰り返す。ほかのサルを襲って食べるだけでなく、違う群れのオス同士で争い相手を殺すこともある。
動物は同じ種の仲間を殺すことはないといわれるが、チンパンジーはまれな例である。そういう意味でも、殺し合いや戦争をやめない人間に近い存在だといえる。