真理の言葉

真理の言葉

1.生きることは苦しみ

人間には二つの苦しみがある。齢をとる、病気になるといった避けがたい苦しみと自分の心が生み出す苦しみだ。

2.うらみから離れる

二つ目の苦しみを生み出す代表が「うらみ」である。うらみから離れるためにはどうしたらよいのか?

「うらみは、うらみを捨てることでしか消えない」
「うらみを抱く人たちの中で、私はうらみを抱くことなく、安楽に生きよう」

そのためにはうらみを起こさない状況に自分の環境を整えていく。うらみ、執着などの煩悩(汚れ)の極みが"無明"である。 無明とは、自分勝手に解釈して、真実を正しく見ることができないこと。それが煩悩の大本だ。

3.執着を捨てる

4.世界は空なり

心のありようで見える世界は違う。網膜に見えているものと脳が認識しているものは違う。

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最期の言葉

最期の言葉

 
般若心経

般若心経

 
旧約聖書

旧約聖書

 

世界一のベストセラー出版物。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の原典が今日の「旧約聖書」と呼ばれるものだが、ユダヤ教からすれば「聖書 Bible」しかない。旧約聖書、新約聖書の呼び方はキリスト教の立場からである。キリスト教の神との新しい契約を記したものを新約聖書と呼んでいる。「翻訳」の"約"ではなく、「契約」の"約"である。

旧約聖書は、古代イスラエル民族の歴史、神との関係をつづった物語。ヘブライ語で書かれており、時代も作者もちがうさまざまな文書が39集まった書物である。古いものは紀元前10世紀頃に書かれ、聖書にまとめられるのは5世紀からである。のちにキリスト教の「新約聖書」が生まれたためキリスト教の立場からから「旧約聖書」と呼ばれるようになった。

禁断の木の実を食べ楽園を追われたアダムとイヴ、人類最初の殺人が起こったカインとアベル、堕落した人々に罰を与えたノアの方舟、洪水から生き延びたノアの子孫アブラハムがイスラエルの始祖となる。これらの有名な話は「創世記」に書かれている。

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〔余談1〕ここまでは歴史ではなく、民族の創世神話のひとつ。1654年に天地創造の年代が算出され、キリスト教圏で信じられてきた。それは、紀元前4004年10月18日~24日にかけて起こり、アダム創造は紀元前4004年10月23日午前9時と算出された。ちなみに紀元前5000年紀は日本では縄文時代前期だった。

〔余談2〕ノアの方舟の説話は「ギルガメシュ叙事詩」のなかの大洪水の話との関連性が指摘されている。ギルガメシュは古代メソポタミア、シュメール王朝時代の王のひとり(在位紀元前2600年頃)で、実在の人物だと確実視されている。その後の歴史の中で伝説化したと考えられる。

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〔余談3〕始祖アブラハムの出自はシュメールの都市ウルとされ、エデンの園はメソポタミアの都市を、バベルの塔は(バビロンにあった)ジッグラトを、ノアの洪水は当地で突発的に起こる洪水を元にした逸話との説がある。(Wikiより)ジッグラトは「高い所」を意味する言葉。古代メソポタミアで日乾煉瓦を用いて数階層に組み上げて建てられた聖塔のことを指し、最大規模の遺跡が世界遺産に登録された「チョガ・ザンビール遺跡」である。

武士道

武士道

 
  1. 正義・日本人の美徳
  2. 名誉・責任の取り方
  3. 忍耐・謎の微笑み
  4. その光と影
罪と罰

罪と罰

 
戦争と平和

トルストイ「戦争と平和」

第一回 人生に悩む若者たち
第二回 生きる喜びとは何か
第三回 心がひとつになる時
第四回 本当の幸福を知る

 
饗宴

プラトン「饗宴」

 
モンテクリスト伯

モンテクリスト伯

 
相対性理論

相対性理論

 
夜と霧

夜と霧

人間は人生から問いかけられている…

「どんなに人生に絶望しようとも 人生があなたに絶望することは決してない
 何かや誰かのためにできることがきっとある」
「それでも人生にイエスと言う」
"...trotzdem ja zum Leben sagen" (強制収容所で歌われた歌詞の一節)

苦悩することは人間の尊厳

「人間は 目的意識を持てば 単に愛したり 楽しむだけでなく 誰かのために何かのために苦しむこともできるのです」
「苦悩と そして死があってこそ 人間という存在は はじめて完全なものになるのだ」

「自分探し」で悩むのは自己愛であり、フランクルのいう悩みとは違う。自分の悩みではなく、人生が求めている何かのため、誰かのために苦悩すること、それが人間の本性であり、人間として崇高なことである。苦悩から逃れるのではなく、苦悩と向き合うことが必要だ。

60年代からの市場経済社会のなかでは勝つか負けるか、成功か失敗かが問われてきた。しかし、成功にも失敗にも意味がある。人生の絶望と意味を考えることを現代人は忘れてしまい、市場経済も行き詰った。サンデル教授も自由主義市場経済の意味を問い直すことが求められていると指摘していた。

豊かさゆえの苦悩

経済的な豊かさを追い求めてきた現代社会。そこに豊かさゆえの苦悩が生れることをフランクルは指摘している。

「"意味"の喪失感が増え、とくに若者の間に広がっている。それには空虚感(feeling of emptiness)を伴うことがよくある。昔のように、もはや伝統的な価値観が何をすべきかを教えてはくれない。今や、人々は基本的に何をしたいのかさえも分からなくなっている。」1972年トロントでの講演より

豊かに便利になっても、生きる意味は見えない。逆に見えにくくなっている。何を信じ、どう行動したらいいのか、それは個人が決めること。その自由が与えられたから。昔の伝統的価値、宗教的価値、村社会の掟や長老から開放されて、現代人は自由になった。自由になったから、すべて自分で決断しなければいけない。誰も教え導いてくれない。

「ストレスが足りない! プレッシャーが足りない! 緊張感がない!」それが現代人の大きな問題だとフランクルは言う。本来こうありたいという自分との葛藤で苦しみこと、これを実存的緊張という。これがないと免疫力が鍛えられなくなって、ちょっとストレスがあると精神的にポキッッと折れてしまう。そういう時代になりつつあるということはフランクルは1960年代に言っている。

欲望を極大化する社会

今の我々は欲望を満たすことが幸せで、欲望を極大化しようとしている。そうゲストの姜尚中(カンサンジュ)さんが指摘している。テレビでもネットでも見たいものだけを見るようになっており、それが閉塞感につながっている。見たくないものから目を背けないことが、フランクルの言う"悩む"ことにつながる。

過去は"宝物"になる

フランクルは人生を砂時計にたとえて説明した。未来は現在を通過して過去になる。多くの人は年をとると未来が残り少なくなったと嘆くが、フランクルをそれを否定する。

苦悩から逃げずに生き抜いたとき、過去はその人の人生を豊かにするかけがえのない財産になると彼は語り続けた。

「体験したすべてのこと 愛したすべてのもの 成し遂げたすべてのこと そして味わったすべての苦しみ これらはすべて忘れ去ることはできないことです。過去となったものはすべて気にしないというのは間違っています。"過去"というのはすべてのことを永遠にしまってくれる いわば"金庫"のようなものです。思い出を永遠に保管してくれる金庫なのです。」

過去は過ぎ去っていくものではなく蓄積されていくものだ。アウシュビッツの悲劇と絶望を目の当たりにした彼の語る言葉は重い。普通の人間は「今が大事」という。しかし彼のように過去が大事だと言い切れる人は少ない。収容所の地獄で体験したこと考えたことを永遠に忘れず、それと向かい続けることが大事だという彼の人生哲学だろう。我々凡人が「今が大事」というのも、とくに日本人の「禅の精神」も大切だが、それは今が未来を作り、その未来が今を通して過去になる、その過去が大事だということだろう。

「生きられなかった時間は永遠に失われてしまうけれど、生き抜かれた時間は時間の座標軸に永遠に刻まれ続ける。」
愛するということ

愛するということ

源氏物語

源氏物語

1.光源氏の悩み

恋愛と政治が絡み合った物語。1008年頃。最初は文学仲間の女の子たちの間で読みあっていた。江戸時代の写本54冊が現存する。

2.あきらめる女

3.体面に縛られる男たち

4.夢を見られない若者たち

舞台を宇治に移して展開する源氏の末裔たちの物語。そこには今と同じように悩み、苦しみ、もがきながら生きる若者の姿がある。

方丈記

方丈記

 
カフカ「変身」

カフカ「変身」

1.しがらみから逃がれたい

しがらみから逃れ引きこもりたいという願望がある一方で、人とつながっていたいという複雑な思いもある。

2.前に進む勇気が出ない

虫であることに慣れ、楽しむようになる。自由だが孤独でもある。

3.居場所がない

家族は働き忙しくなり、虫を見放していく。虫の居場所は無くなり、独り死んでいく。いまを生きる若者たちに居場所はあるのか?

4.弱さが教えてくれること

家族から疎外され、主人公は虫の姿のまま死んでいく。悲しい結末を迎えるこの物語は、人の心に潜む残酷な感情に気づかせてくれる。

かもめ

かもめ

 
古事記

古事記

 
銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

 
こころ

こころ

 
パンセ

パスカル「パンセ」

パスカル(1623-1662)のパンセ(pansee)は全部で924の断章からなる。長くて数ページ、短いのは一行。どこから読んでもよい。世の中によく知られた言葉に「人間は考える葦」、「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら世界の歴史は変わっていただろう」などがある。

理系の人間にとっては数学者・物理学者としてのパスカルになじみがあるだろう。パスカルの定理(円に内接する正六角形の対辺を延長した交差点は一直線上にある)、パスカルの原理(圧力の大きさは面積に比例するという流体静力学の基本原理)は中学校で習った。

パスカルの観察の対象が科学から人間へと変わったきっかけは父親の死だった。絶対的な存在だった父との死別で、人生の意味について深く考えるようになった。「人間とは何か?」パスカルは科学で培った冷徹な視線で心の奥底を見つめていった。人間を分析することは自分を分析すること!自分の心に容赦なく切り込んでいった。

偶然と環境が職業を決める!

「一生のうちでいちばん大事なのは、どんな職業を選ぶか?これに尽きる。ところが、それは偶然によって左右される。習慣が、石工を、兵士を、屋根葺き職人をつくるのだ。」(断章97)

職業はあらゆる選択肢の中から選ぶのではなくて、置かれた状況、環境によって決められてしまう面が強い。偶然と環境が職業を決める。

「人は、屋根葺き職人だろうとなんだろうと、生まれつきあらゆる職業に向いている。向いていないのは、部屋の中にじっとしていることだけだ。」(断章197)

忙しく働いていれば自然に職業になじんでくる。向いているかどうか考えるということは忙しくないこと。

「我々の本性は、運動のうちにある。完全な静止は、死である。」(断章129) 選択の自由が苦悩を生む
「私たちがどんな状態にいても、自然は私たちを不幸にするものである。私たちの願望が、幸福な状態というものを、私たちの心に描き出して見せるからだ。」(断章109)

上のある社会では自我パイの分け方は決まってくる。上がなければ独り占めでき、自我の使い道も自由である。しかし豊かになればなるほど選択肢が増え続け、そこに悩みが生れる。選択できる自由こそが不幸の原因だとパスカルは見抜いていた。選択する苦悩が、自由を与えられた人間の究極の悩みである。

金融危機、地球温暖化、環境破壊、原発事故…現代文明の脆さが明らかになっている時代、「人間の理性には限界がある。決して驕ってはならない。」と語ったパスカルの言葉には噛みしめる価値がある。現代文明はデカルト思想に基づいて築き上げられてきた。しかし科学は万能ではないという事実を突きつけられているいま、物事は理詰めだけではなく偶然によっても左右され、ときには直感を信じる、未完成の状態で考え続けることが重要だと主張したパスカルに学ぶことが多い。

「人間は一本の葦にすぎない。自然の中でもっとも弱いもののひとつである。しかし、それは考える葦なのだ。人間を押しつぶすためには、全宇宙が武装する必要はない。一滴の水でさえ人間を殺すに足りる。しかし、たとえ宇宙が人間を押しつぶしたとしても、人間は宇宙よりも気高いといえる。なぜなら、人間は自分が死ぬことを、宇宙のほうが自分よりはるかに優位であることを知っているからだ。宇宙は、こうしたことを何も知らない。だから、渡井たちの尊厳は、すべてこれ、考えることの中にある。私たちは、考えるというところから立ち上がらなければならないのだ。ゆえに、よく考えるよう努力しよう。ここに道徳の真理があるのだ。」( パンセ断章347)
星の王子様

星の王子様

 
孫子

孫子

老子

老子

宇宙の始まりから人の生き方まで込められた老子の思想~道 Tao~

時流に流されず超然と生きることを説いた老子。その教えは、人や世の中が疲弊しているときにこそ読むべき癒しの思想として注目されている。


第一回 「道」に従って生きよ
第二回 水のように生きる
第三回 人を生かす智恵
第四回 満ち足りた人生

徒然草

徒然草

※第一回のみ録画
万葉集

万葉集

 

第一回 言霊の宿る歌

日本人の感性の原点ともいえる万葉集の魅力は? 歌は時代の顔、古代史を知れば知るほど万葉集が味わい深くなる。万葉集を知って旅をすれば歴史の風を感じる。

9世紀初めごろに成立した日本最古の和歌集。詠み人は天皇から貴族、役人、一般庶民まで。全20巻、およそ4,500種を収録。雑歌(宮廷などの公式行事で詠まれた歌)、相聞(男女が詠みあう恋の歌)、挽歌(死者を悼み、悲しみを表現する歌)がはいっているため時代が立体的に感じられる。漢字を借りてヤマト言葉を表現し始めた時代の歌集。。

「東野炎 立所見而 反見為者 月西渡」。

あづま野のけぶりの 立てる所見て かえりみすれば 月傾きぬ。

第二回 宮廷歌人の登場

「淡海の海 夕波千鳥 汝が鳴けば 心もしのに いにしへ思ほゆ」

第三回 個性の開花

「田児の浦ゆ うち出でて見れば 真白にぞ 不尽の高嶺に 雪はふりける」

第四回 独りを見つめる

「春の野に 霞たなびき うらがなし この夕かげに うぐいす鳴くも」

古代の人々の心を写し出す万葉集。最後を飾るのは大伴家持。彼が詠んだ歌が最多の470首入っていることから、万葉集の編纂に深く関わったのではないかといわれる。

1位 作者不詳約2000首
2位 大伴家持 約470首
3位 柿本人麻呂  約90首
4位 坂上郎女  約85首
5位 山上憶良約80首
世阿弥

世阿弥

 
遠野物語

遠野物語

 
ファーブル昆虫記

ファーブル昆虫記

 
アンネの日記

アンネの日記

 
枕草子

枕草子

 
奥の細道

奥の細道

 
菜根譚

菜根譚

 
ハムレット

ハムレット

 
岡倉天心

岡倉天心

 
フランケンシュタイン

フランケンシュタイン

 
荘子

荘子

「荘子」はいたるところで、本来の自然をゆがめてしまう「人為」の落とし穴を指摘する。その背景には、「荘子」の「無為自然」の思想がある。人為を離れ、自然の根源的な摂理に沿った生き方こそ、人間の最高の境地だというのだ。
【講師】僧侶、芥川賞受賞作家…玄侑宗久

第一回では、「荘子」の全体像を紹介しつつ、人間のこざかしい「人為」のむなしさと、人為の働かない「無為自然」のすばらしさを伝える。

周囲に振り回されるマイナスなイメージがつきまとう「受け身」。だが「荘子」では、「鏡のたとえ」「妻の死を飄々と受け止める荘周」といったエピソードで、「受け身」にこそ最強の主体性が宿ると説く。玄侑宗久さんは、こうした境地が「禅の修業」と共通性しているという。第2回は、「荘子」が説く「全てを受け入れたとき人は最も強くなれる」という「受け身」の極意を禅と比較しながら明らかにする。

荘子では、自在に躍動する生き方の極意が説かれている。「無用の用」などのエピソードで世間的な価値でははかれない「遊」の境地を教える。「遊」の立場に立てば全てが「大用」に転換するという。それは「人の役に立つことで却って自分の身を苦しめる」状況からの解放だ。第三回は、何物にもとらわれない自在の境地の素晴らしさ、伸びやかに生を謳(おう)歌する極意を読み解く。

万物を生み出しその働きを支配する「道」を根本原理ととらえた「荘子」。「道」からみれば万物は一体であり、人間世界の価値は全て相対的で優劣などない。「万物斉同」と呼ばれるこの思想は、世俗的な価値にとらわれ、つまらないことで争いを続ける人間の愚かさを笑い飛ばす。第4回では、これまで展開してきた全ての思想を支える「荘子」の要、「万物斉同」の思想を明らかにする。

 
オイディプス王

オイディプス王

人間は運命と向き合ったときどうふるまうべきなのか。ギリシア悲劇「オイディプス王」は、運命を受け入れてなお人間に主体性というものは成り立つのかを問いかける。第一回は作品成立の背景や全体像に迫りながら人間にとっての「運命の意味」を考える。
【講師】島田雅彦,【司会】伊集院光,武内陶子,【朗読】小出恵介,【語り】加藤有生子

 
小泉八雲

小泉八雲

小泉八雲が異文化である日本を理解する方法は、庶民の暮らしに向き合うこと、伝承や神話に耳をすますことだ。その背景には、母を奪った父に代表される西欧社会への根深い敵意があった。日本を巡る旅は、母の記憶につながる原初の楽園的な世界を日本のうちに求めようという自分探しの旅、自らの原点を探す旅でもあった。第一回は、小泉八雲の人となり等を掘り下げながら、八雲が異文化日本を見つめた熱いまなざしに迫っていく。【講師】早稲田大学教授…池田雅之

 
種の起源

種の起源

生物分類の基本単位「種」は神が創造して以来不変のものだというのが19世紀当時のキリスト教的な世界観だった。ダーウィンは人間が飼育栽培する動植物が同じ「種」とは思えないような変化を遂げていく事実に注目。そこから「種は進化し別の種になる」という理論にたどり着く。第一回は、ダーウィンが既存の世界観にどう挑んでいったかを明らかにしながら、「種の起源」で説かれる進化論の発想の原点に迫っていく。【講師】総合研究大学院大学教授…長谷川眞理子

 
J-文学

J-文学

 
その他

その他

落語でブッダ 109MB 00:23:52

法華経 276MB 01:00:06