旧約聖書

世界一のベストセラー出版物。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の原典が今日の「旧約聖書」と呼ばれるものだが、ユダヤ教からすれば「聖書 Bible」しかない。旧約聖書、新約聖書の呼び方はキリスト教の立場からである。キリスト教の神との新しい契約を記したものを新約聖書と呼んでいる。「翻訳」の"約"ではなく、「契約」の"約"である。

旧約聖書は、古代イスラエル民族の歴史、神との関係をつづった物語。ヘブライ語で書かれており、時代も作者もちがうさまざまな文書が39集まった書物である。古いものは紀元前10世紀頃に書かれ、聖書にまとめられるのは5世紀からである。のちにキリスト教の「新約聖書」が生まれたためキリスト教の立場からから「旧約聖書」と呼ばれるようになった。

禁断の木の実を食べ楽園を追われたアダムとイヴ、人類最初の殺人が起こったカインとアベル、堕落した人々に罰を与えたノアの方舟、洪水から生き延びたノアの子孫アブラハムがイスラエルの始祖となる。これらの有名な話は「創世記」に書かれている。

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〔余談1〕ここまでは歴史ではなく、民族の創世神話のひとつ。1654年に天地創造の年代が算出され、キリスト教圏で信じられてきた。それは、紀元前4004年10月18日~24日にかけて起こり、アダム創造は紀元前4004年10月23日午前9時と算出された。ちなみに紀元前5000年紀は日本では縄文時代前期だった。

〔余談2〕ノアの方舟の説話は「ギルガメシュ叙事詩」のなかの大洪水の話との関連性が指摘されている。ギルガメシュは古代メソポタミア、シュメール王朝時代の王のひとり(在位紀元前2600年頃)で、実在の人物だと確実視されている。その後の歴史の中で伝説化したと考えられる。

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〔余談3〕始祖アブラハムの出自はシュメールの都市ウルとされ、エデンの園はメソポタミアの都市を、バベルの塔は(バビロンにあった)ジッグラトを、ノアの洪水は当地で突発的に起こる洪水を元にした逸話との説がある。(Wikiより)ジッグラトは「高い所」を意味する言葉。古代メソポタミアで日乾煉瓦を用いて数階層に組み上げて建てられた聖塔のことを指し、最大規模の遺跡が世界遺産に登録された「チョガ・ザンビール遺跡」である。

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