共産主義への幻想が消えていないこの時代、武力による「革命」を目指す勢力は、まだ一定数存在した。その中で、日本を「アジア侵略の元凶」とみなし、より過激に社会争乱を作ろうとしたのが、いわゆる左翼の主流派から外れた「極左・過激派」だった。
彼らは「反日武装戦線」を名乗り、それぞれ「狼」「さそり」「大地の牙」という各班を組織し、三菱重工(1974/8)、三井物産(1974/10)、帝人(1974/11)、大成建設(1974/12)など、日本の中枢に位置する企業をつぎつぎと爆破した。
編成された班の名前こそ「狼」「さそり」と、何だか劇画タッチで、とても大人の考えるような名称には聞こえないが、その被害は甚大だった。三菱重工ビルでは8人が死亡、合計9件の爆破事件で、400人を超える重軽傷者が出た。
その後、犯行の主要メンバーは、逮捕された者、服毒自殺した者、ハイジャック事件の超法規的措置で釈放された者、など、さまざまな道をたどったが、驚いたことに、いまだに逃亡しているメンバーもいる。
彼らが信奉したアナーキズムとはどのような思想だったのか。爆弾製造法やゲリラ戦法などの教科書となった伝説の冊子「腹腹時計」とは何か。
※前半(三菱重工ビル爆破事件など)は未録画。最後の4分間のみ。