映像の世紀

第1集 20世紀の幕開け

ムービーカメラが誕生して間もない20世紀初頭の世界。パリ万博、ビクトリア女王の葬儀、ロシア革命で処刑されるニコライ2世一家、第1次世界大戦の引き金となったサラエボ事件など、激動の世紀の幕開けをビビッドに描く。ルノアール、モネ、トルストイなど偉人の貴重な映像も登場。

第2集 大量殺戮の完成

動く映像として記録された初めての戦争である第1次世界大戦を描く。第1号戦車、最初の空爆、毒ガス兵器など大量殺りく兵器の誕生と無残な死を遂げた多くの兵士の膨大な記録。若き日のマッカーサーやチャーチル、ルーズベルト、チャップリンなど後に時代を動かす主役たちも登場する。

第3集 それはマンハッタンから始まった

1920年代のアメリカが舞台。花開く大衆文化、マスメディアの発達と功罪、移民と排他主義、そして繁栄の極みから経済恐慌という奈落へ。20世紀の資本主義社会の原型を形作った時代の光と影を、ニューヨーク・マンハッタンを舞台に鮮烈に描写する。

第4集 ヒトラーの野望

第2次世界大戦への道程を描く。映像の力をプロパガンダとして巧みに利用し、国民の熱狂的な支持を集めることに成功したヒトラーの戦略と野望に焦点を当てる。同時代のアメリカ、ソ連、日本の思惑と行動を織り交ぜながら、世界を戦争に巻き込んでいくナチス・ドイツの狂気を描いてゆく。

第5集 世界は地獄を見た

ナチスによるユダヤ人虐殺、アメリカの原爆投下など、非戦闘員である市民が犠牲となった史上最悪の戦争。ドイツ軍によるポーランド、ソ連侵攻、最大の市街戦と言われたスターリングラードの戦いなど。ユダヤ人の強制収容所ゲットーの悲惨な実態。マリアナ沖海戦、神風特攻隊など日本軍の映像。1936年から45年にかけての世界大戦を詳細克明に伝える映像は人類のかけがえのない遺産でもある。

第6集 独立の旗の下に

アジア諸国は長く欧米列強に支配され、日本もその後支配権を競った。第2次世界大戦で日本が敗北すると、アジアの人々は悲願だった祖国独立に立ち上がった。インド独立の父ガンジー、巨大国家中国を束ねた毛沢東、ベトナム独立の指導者ホー・チ・ミンなど、アジアの指導者たちの苦悩と闘争の歴史。列強による植民地支配の実情や独立運動の変遷を、半世紀にわたり、貴重な発掘映像とともにたどる。

新・映像の世紀

第1集 百年の悲劇はここから始まった

第一次世界大戦は、今も世界を覆う不幸の種子をばらまいた。毒ガスを初めて開発した天才科学者・フリッツ・ハーバー博士の悲劇。ロシア革命を成し遂げたレーニンは、恐怖政治の創始者でもあった。砂漠の英雄・アラビアのロレンスの裏切りが今に至る中東紛争のきっかけと言われる。私たちの生きている世界自体が、第一次世界大戦の産物なのである。世界を動かした人々の人間ドラマを通して、歴史の深層に切り込んでいく。

第2集 グレートファミリー 新たな支配者

石油に目をつけ、悪魔とも呼ばれながら史上最大の富豪となったロックフェラー家。大統領をしのぐ発言力を持ち、金融界を牛耳ったモルガン家。大量生産で、車を大衆の乗り物とした自動車王フォード。アメリカのふりまく富の匂いは、世界中の移民も引き寄せ、超大国アメリカの基盤を形作った。しかし世界はやがて大恐慌に見舞われる。グレートファミリーのプライベート映像を駆使、現代の資本主義を生んだ欲望の時代を見つめる。

第3集 時代は独裁者を求めた

5000万を越える人々が犠牲となった第二次世界大戦の惨劇は、一人の独裁者の狂気だけが生み出したものではない。大恐慌で資本主義に幻滅した人々はファシズムを支持し、世界の企業がドイツを支援した。アメリカのフォード社は、ドイツ軍のトラックを生産。強制収容所の大量の囚人管理を可能にしたのは、アメリカ企業の開発したパンチカードマシンだった。独裁者に未来を託し、世界を地獄に追い込んでしまった人々の物語。

第4集 世界は秘密と嘘に覆われた

冷戦時代に東ドイツの秘密警察シュタージが行った諜報活動の映像が公開された。夫婦がお互いに監視し合ったり、親しい隣人を盗撮するなど、人間性破壊のおぞましい映像である。一方、アメリカもCIAの秘密工作によって外国の反米政権を次々に転覆させた。核兵器による恐怖の均衡が続く中、米ソは直接戦うことを避け、世界各地で代理戦争を繰り広げた。世界が核戦争の恐怖におびえ、秘密とうそが覆った狂気の時代を描く。

第5集 若者の反乱が世界に連鎖した

東西両陣営で同時に起こった若者たちの反乱を引き起こしたのはテレビだった。衛星中継が実用化され、あらゆる出来事が世界に瞬時に伝わるようになっていた。デモで若者たちはふたりの人物の肖像を掲げた。キューバ革命を起こしたチェ・ゲバラ、中国を建国した毛沢東。60年代に出現したスーパースターの貴重な映像も続々と登場。ビートルズ、ミック・ジャガー、ボブ・ディラン、デビッド・ボウイ。従来の価値観を壊した反乱の時代。

第6集 あなたのワンカットが世界を変える

誰もが撮影者となり、誰もが発信者となる時代。YouTubeには1分間に400時間を越える映像がアップされ続けている。街の至るところに取り付けられたカメラは、私たちの一挙手一投足を撮影し続けている。もはや世界で起こる出来事のすべてが、映像化されるといっても過言ではない。

21世紀最初の年、世界の記憶に刻まれた映像は、アメリカで起きた同時多発テロだった。ワールドトレードセンターに旅客機が突入する映像は、人々の憎悪を増幅させる装置となった。2004年のスマトラ沖大地震、2011年の東日本大震災では、一般の市民が撮影した映像が災害の全容を伝えた。

一方映像は、国境を越え人々の心をつなぐこともある。「アラブの春」では、ひとりの若者が発信した映像が独裁国家を転覆させるきっかけを作った。2013年のボストンマラソンの爆弾テロ事件では、進化した映像技術が事件をスピード解決した。最終回では、21世紀に起きた歴史的事件を舞台に秘蔵映像を駆使しながら、世界を時に引き裂き、時につなぐ映像の巨大な力を描く。

映像の世紀 PREMIUM ~芸術家たちの新世紀~

第1集 世界を震わした芸術家たち

動く映像として初めて記録された巨匠・トルストイに始まり、1920年代のアメリカで花開いたジャズエイジ、ユダヤ移民が築いた映画の都ハリウッド、ナチスに抵抗を続けたピカソ、チャップリン、そして戦後のベビーブーム世代を熱狂の渦に巻き込んだビートルズ、ボブ・ディラン、さらにはベルリンの壁の崩壊にもつながったデビッド・ボウイの伝説のライブの映像などで20世紀をたどる。アンネ・フランクの貴重映像も登場する。(2016年5月28日(土) 午後7時30分~9時)

第2集 科学者たちの罪と勇気

20世紀、科学は戦争のあり方を一変させ、戦争もまた科学を進歩させた。世界初の有人飛行を成功させた直後に軍用機を開発したライト兄弟、ナチスのもとで培った弾道ミサイルの技術によってアメリカのアポロ計画を成功させたフォン・ブラウン、マンハッタン計画の責任者として原爆を生み出しながら戦後は水爆開発に反対したオッペンハイマー博士。科学者と戦争の宿命的な関係を描く。

第3集 世界を変えた女たち

20世紀、女性たちは自由を求め、愛を貫き、誇りをかけて戦った。世界大戦中のパリで斬新なファッションによって女性たちをコルセットから解放したココ・シャネル。女性参政権運動などで活躍してFBIに監視されたヘレン・ケラー。米軍の指令を帯びて日本へ新婚旅行に訪れたマリリン・モンロー。夫の血が染まったスーツで次期大統領の宣誓に立ち会ったジャクリーン・ケネディ。激動の時代を生きた女性たちの知られざる物語である。(2016年12月3日(土) 午後7時30分~9時 )