人類遥かなる旅路

第1回 アフリカから世界へ 第2回 アジアの人々はどこから来たのか 第3回 最後の大陸 アメリカ

人類はなぜこれほど繁栄することができたのか。人類はどこからきてどのように世界に広がったのか。詳細な研究データに基づき人類の遥かなる足跡を追う。(2009年イギリス 3回シリーズ)

第1回 アフリカから世界へ

我々ホモ・サピエンスの最も古い頭蓋骨は、エチオピアで発見された19万5000年前のもの。遺伝子解析によると、今の人類は、すべてアフリカのある小さな集団の子孫だという。いつ、どのようにアフリカを出て、新天地をめざしたのか。当時の地形や気候を分析すると、意外なルートをたどった可能性が…。第1回は人類のアフリカからの旅について伝える。

第2回 アジアの人々はどこから来たのか

7万年前にアフリカを旅立った人類は、アラビア半島から北上し、獲物を追ってシベリアに到達したと考えられている。そして気候変動で寒さが厳しくなると南下し、中国で農耕文化を開花させたとされる。しかし中国では、別の起源を持つ人類が独自に進化を遂げ、中国文明を築いたという説が根強く支持されている。中国文明を築いたのは何者なのか。考古学的な証拠と遺伝子調査でアジア人の起源を探る。

第3回 最後の大陸 アメリカ

4万年前にはアジアやヨーロッパなどに広がっていた人類が、最後にたどり着いたのがアメリカ大陸だった。しかしどうやって到達したのかは謎のままだ。大陸の北は厚い氷で閉ざされていたが、その氷の壁を越えて来たのか。それとも太平洋をはるばる渡って来たのか。カリフォルニア沖の島で見つかった北アメリカ最古の人骨やDNA解析の結果から新たな事実が浮かび上がる。

日本人のルーツを探る旅

2007年に新石垣空港予定地で、「白保しらほ竿根田原さおねたばる洞穴遺跡」が見つかった。NPO法人沖縄鍾乳洞協会によって洞穴内から人間の頭、脚、腕などの骨9点が発見された。そのうちの1点の20代-30代の男性の頭骨片(左頭頂骨)が約2万年前、他に2点も約1万8千年前及び約1万5千年前のものと確認された。 さらに国立科学博物館が、ミトコンドリアDNA分析をした結果、国内最古の人骨(約2万-1万年前)とされた4点のうち2点はハプログループM7aと呼ばれる南方系由来のDNAタイプであることが明らかとなった。

旧石器時代の遺跡は1万箇所あるが、これまで人骨の一部が見つかったのは静岡県だけだった。 富山市では北陸新幹線の工事中に6000年前(縄文時代)の人骨が91体発見された。