サハラに眠る白亜の街砂漠の真珠ガダーミス静寂の謎▽迷宮都市は人情交差点
◇国土の9割が砂漠というリビアの世界遺産を訪ねる。首都トリポリから南西へ600キロ離れると、広大な砂の世界に突然白壁の街並みが現れる。そこは"砂漠の真珠"とたたえられるオアシス都市、ガダーミス。
紀元前からアフリカの内陸部と地中海を結ぶサハラ交易の中継地として栄えた街で、壁や通路などすべてが泥れんがの上にしっくいが塗り込まれた造りになっている。人の気配がしない静かな街だが、一歩足を踏み入れるとどこまでも続く闇の回廊やおとぎ話に出てくるような愛らしい家々の装飾など、不思議な世界が広がっている。
なぜ砂漠の民は、砂の世界にそのような不思議な迷宮を造り上げたのか。そして住民たちはどこへ行ってしまったのか。オアシスから人々の姿が消えたある出来事や、1300年前に築かれた街並みに隠されたメッセージに迫る。2009/01/10