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ロマノフ王家の最期

90年目の真実 ~確認されたロシア皇帝ニコライ2世の子どもの遺骨ほか~

2008年、90年間不明となっていたロシア皇帝ニコライ2世の子供2人の遺骨が確認された。アメリカでのDNA鑑定によって、昨年夏に発見された遺骨がニコライ2世の長男と娘であることが判明したのである。

ロシア革命時に処刑された皇帝一家の生き残りが、世界のどこかでロマノフ王朝復活をもくろんでいるといううわさはこの一世紀、世界中の人々の興味をかき立ててきた。遺骨発見に伴い、アーカイブから新たな資料が公開された。

ソビエト時代に極秘とされた、革命政権による皇帝一家惨殺の詳細が明らかになった。ソビエト崩壊後のロシアにとって「皇帝問題」は、常に国策に大きく影響してきた。最後の皇帝一家の遺骨発見は、帝政ロシアの伝統回帰を目指す政権にとって、再び"皇帝の受難と悲劇"を国民に知らしめるものとなる。最新の資料から処刑の歴史的背景を明らかにし、大国への道を歩み始めたロシアの"皇帝神話"に迫る。