種の起源 第14章

生命はあまたの力とともに、
最初わずかなもの、あるいは、
ただひとつのものに吹き込まれ、
この惑星が、確固たる重力法則に
従い回転するあいだに、
かくも単純なはじまりから、
きわめて美しく、きわめて驚くべき
無限の形態が進化し、今も進化しつつある。
この見方の何と壮大なことか....。

もしも生物が進化し続けるとするなら、
しょせん人間は長い歴史の中の
束の間の存在でしかないだろう。
しかし、人間とは果たして
それだけの存在だろうか....

人はただ自然にまかせて
滅びることはない。
何故なら
人には、弱い者を、
不自由な者を、劣った者を、
不利益から守るという叡知が、
さずけられているのだから....。