ビジョナリーカンパニー

ジェームズ・C・コリンズ/ジェリー・I・ポラス 著 、 山岡洋一 訳  日経BP社(1995)

ビジョナリーカンパニー「時代を超え、 際立った存在であり続ける企業(ビジョナリーカンパニー)」の源泉を解き明かした米国のロングセラー。徹底した調査とライバル企業との比較対象などから、これまでの経営神話(すばらしいアイデアの必要性、カリスマ的指導者の存在、……)を次々と看破、時の試練に耐え変わることのない「基本理念」こそ、ビジョナリーカンパニーに最も必要なものであると説く。

 
神話1:すばらしい会社をはじめるには、すばらしいアイデアが必要である。
神話2:ビジョナリーカンパニーには、ビジョンを持った偉大なカリスマ的な指導者が必要である。
神話3:とくに成功している企業は、利益の追求を最大の目的としている。
神話4:ビジョナリーカンパニーには、共通した「正しい」基本的価値観がある。
神話5:変わらない点は、変わり続けることだけである。
神話6:優良企業は危険をおかさない。
神話7:ビジョナリーカンパニーは、だれにとってもすばらしい職場である。
神話8:大きく成功している企業は、綿密で複雑な戦略を立てて、最善の動きをとる。
神話9:根本的な変化を促すには、社外からCEOを迎えるべきだ。
神話10:もっとも成功している企業は、競争に勝つことを第一に考えている。
神話11:二つの相反することは、同時に獲得することはできない。
神話12:ビジョナリーカンパニーになるのは主に、経営者が先見的な発言をしているからだ。

[本書に登場するビジョナリーカンパニー]
スリーエム(3M)、アメリカン・エキスプレス、ボーイング、シティコープ、フォード、ゼネラル・エレクトリック(GE)、ヒューレット・パッカード(HP)、IBM、ジョンソン&ジョンソン(J&J)、マリオット、メルク、モトローラ、ノードストロム、プロクター&ギャンブル、フィリップ・モリス、ソニー、ウォルマート、ウォルト・ディズニー
[目次]
第1章  最高のなかの最高
第2章  時を告げるのではなく、時計をつくる
第3章  利益を超えて
第4章  基本理念を維持し、進歩を促す
第5章  社運を賭けた大胆な目標
第6章  カルトのような文化
第7章  大量のものを試し、うまくいったものを残す
第8章  生え抜きの経営陣
第9章  決して満足しない
第10章 はじまりの終わり

ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則

ビジョナリーカンパニー2ジェームズ・C・コリンズ著 /山岡洋一訳、 日経BP社(2001)

良い企業は多いが、偉大な企業はきわめて少ない。株式の平均運用成績の観点から、大きな飛躍を経験し、以後15年間にわたってその実績を維持したジレットやフィリップモリスをはじめとする11社を偉大な企業として選び、各社をそれぞれの競合企業と比較する。一見すると地味なこれら11社が、GEやインテルを上回る実績を残した要因をリーダーシップ、人材戦略、企業文化等から分析し、良好な企業が偉大な企業へと変貌するために必要な条件を明らかにする。

第1章 時代を超えた成長の法則―良好は偉大の敵
 あくなき好奇心
 時代を超えた法則

第2章 野心は会社のために―第五水準のリーダーシップ
 予想していなかった点
 謙虚さ+不屈の精神=第五水準
 不屈の精神 ― なすべきことを実行する
 第五水準のリーダーシップを習得する
 キンバリー・クラーク vs スコット・ペーパー
 アボット vs アップジョン
第3章 だれをバスに乗せるか―最初に人を選び、その後に目標を選ぶ
 「一人の天才を一千人で支える」方式はとらない
 だれに報酬を支払うかが問題で、どう支払うかは問題ではない
 厳格であって冷酷でない
 偉大な企業と素晴らしい人生
 ウェルズ・ファーゴ vs バンク・オブ・アメリカ
 ウォルグリーンズ vs エッカード
 サーキット・シティ> vs サイロ
 フィリップ・モリス vs R.J.レイノルズ 
第4章 最後にはかならず勝つ―厳しい現実を直視する
 真実に耳を傾ける社風を作る
 厳しい現実のなかで勝利への確信を失わない
 ストックデールの逆説
 クローガー vs A&P
 ピットニー・ボウズ vs アドレソグラフ
 キンバリー・クラーク>vs スコット・ペーパー 
第5章 単純明快な戦略―針鼠の概念
 三つの円
 世界的になれる部分となれない部分
 経済的原動力は何か
 情熱を理解する
 虚勢ではなく現実の認識
 ウォルグリーンズ vs エッカード
 フィリップ・モリス vs R.J.レイノルズ
 ファニー・メイ> vs グレート・ウェスタン 
第6章 人ではなく、システムを管理する―規律の文化
 枠組みのなかの自由と規律
 コッテージ・チーズを洗う
 必要なのは文化であり、暴君ではない
 針鼠の概念を徹底して守る
 止めるべきことのリストを作る
 ウェルズ・ファーゴ vs バンク・オブ・アメリカ
 フィリップ・モリス vs R.J.レイノルズ
 ニューコア> vs ベスレヘム・スチール 
第7章 新技術にふりまわされない ― 促進剤としての技術 
 技術と針鼠の概念
 技術の罠
 取り残されることへの恐怖心
 ニューコア> vs ベスレヘム・スチール
第8章 劇的な転換はゆっくり進む―弾み車と悪循環
 準備と突破
 贅沢な環境に恵まれたわけではない
 弾み車効果
 悪循環
 間違った買収
 すべてをつつみこむ弾み車の概念
 アボット> vs アップジョン
 ジレット vs ワーナー・ランバート

第9章 ビジョナリー・カンパニーへの道
 ビジョナリー・カンパニーへ至る初期段階
 永続する企業に不可欠なもうひとつの要因
 良いBHAGと悪いBHAG
 なぜ偉大さを追求するのか