×

熊野本宮大社

10時25分のバスに乗車。だれも乗っていなかった。10分ほどで白浜空港に着く。30代と思しき女性が一人乗ってきただけだった。本宮大社前に着くまで乗客はひとりも乗ってこなかった。お陰で一番前の席に座って運転手さんとあれこれ話しながらの旅となり、いろいろ教えてもらった。

「右前方の山の中腹が高原(たかはら)で、イーデス・ハンソンさんの家が右手のほうに見えます。」
「ここから中辺路、野中の一本杉がある熊野古道に通じる道です。」
「ここは近露という変わった名前の土地です。」といってバスガイドの車内ビデオを見せてくれた。

「古道歩きの里ちかつゆ」といって、牛馬童子コースや継桜王子コースの中継地点だそうだ。いわゆる観光地なので私は興味はないが、1時間くらいの道のりで古道歩き体験にはいいところなのだろう。

「ちかつゆ」という地名は、ウィキによれば、花山天皇の熊野詣のとき、現在の箸折峠で食事をしようとして箸がなかったので、萱の茎を折って箸にし(箸折峠の由来)、そこからしたたり落ちる赤い汁を見て「これは血か露か」と言ったことに由来するそうだ。

熊野本宮大社

正午に熊野本宮に到着。白浜から約1時間30分だった。バス停から道路を渡ったところに鳥居があり、階段を登るとすぐ本宮に着く。思いのほか短い参詣道だった。季節はずれのため人影は少なく、本殿には一人の女性が祈りを捧げているだけだった。白浜空港でバスに乗った女性だった。今朝、東京から来て今日中に東京に戻るのだという。十数分もの間、本殿の前で手を合わせていた。どんな事情があるのか聞くのははばかられた。

本殿の裏側に通じる道があった。本殿を背にして北へ向かった。中辺路、小辺路につながる熊野古道だが、古の面影はないので途中で引き返した。本殿裏の鳥居の近くから西に下る山道があった。明治の大洪水で社殿が流される前までの旧熊野本宮への路ではないかと思って下って行くと川べりに広がる集落にでた。移動販売車が停まっていた。お昼時だったので、寿司弁当、みかん、まんじゅうなどを買った。

大斎原

午後1時半に大斎原に着いた。田んぼを横切る畦道を歩き、新宮川の堤に出た。堤に坐って昼食をとっていると、大斎原の大鳥居に向かう一団が見えた。大きなカメラを担いでいる人も見えたので、何かのロケなのだろう。一人の女性が走り出した。

TVロケ隊

昼食休憩を終え、大斎原の森の中を歩いていくと一角に先ほどのロケ隊がいた。TVキャスターらしき女性に話しかけると、「熊野古道を走る」と題したTVスポーツ番組の撮影だと教えてくれた。先ほど大鳥居に向かって走っていた女性は、「高橋尚子」だった。

川湯温泉

予約した川湯温泉の宿まで歩いた。およそ1時間の道のりだった。宿にチェックインし荷物を預けて周辺を散策した。吊橋を渡ったところに露天風呂があったが、冬季は閉鎖されている。川下に数分歩くと「仙人風呂」があった。河原に作られた大きな露天風呂だ。歩きつかれた体を癒す。

大きい地図を開く 青春18ぶらり旅

写真 動画 地図

2012

×