徒歩 6km 京都駅~三十三間堂~養源院~京都国立博物館~妙法院~大谷本廟~清水寺~三寧坂~高台寺~八坂の塔
2009/08/20 帰省の途中、JR京都駅で途中下車し東山地区を散策。小学校の遠足以来はじめて訪ねた。
三十三間堂が駅から歩ける距離にあると知ってぶらりと歩き始めた。真夏の日差しを浴びて車道を歩くのは好まなかったが、バスに乗るのも面倒だ。平日の午後、観光客はほとんどいない。
昔の三十三間堂の面影を感じなかった。なにもかも新しく修復され、古刹の風情がなくなりカメラを構えると電柱と電線が邪魔をするからだ。東門に回るときらびやかな朱色が目に入って違和感を感じた。本堂は工事中で、見学する気も失せた。
東側となりに養源院があった。緑に覆われた境内は静寂の中にあった。案内板によれば、淀殿が1594年に父浅井長政の菩提寺として建立した寺である。「血天井」の謂れも書いてあった。関が原の戦いの直前、伏見城に立てこもった鳥居元忠ら380余名が自刃し、彼らの血が染み込んだ床を、この寺の天井板に使ったということだ。
北側に京都国立博物館があった。空海の展示があり、1時間ほど見物し、真言密教の成り立ちなど歴史を勉強する機会を得た。京都女子大の横道を過ぎ、清水寺を目指して歩く。大谷廟の東側にある広大な墓地をかすめて裏道から清水寺にたどり着いた。どこをどう歩いたか定かではない。
清水寺そのものにはさほど興味はないが、境内をめぐる緑の小路は散策にうってつけだった。京都市街地を眺められるが往時の面影はなく、無味乾燥なコンクリートジャングルが見えるだけだ。大都会など見たくもない。
茶碗坂の途中から北へ向かい、三年坂・二年坂を歩く。重要伝統的建造物群保存地区ではあるが、写真を撮ろうとすると電線が目障りだった。通りの店の人に「電線のない通りはありませんか?」と訊くが、「さあ?」と首をかしげる。三人目の人が「八坂の塔がある通りは電線がないと思う」と教えてくれた。「この地区の電柱・電線を地価に埋める計画がある」と言う。ぜひそうして欲しいものだ。
三年坂を北へ歩いていくと高台寺があった。ねね(高台院湖月尼)が秀吉の菩提を弔うため1606年に創建した寺である。その西側には京料理の店や旅館がひっそりとある。路地裏の風情がなかなかいい・・・ゆかた姿の三人娘がいた。頼まれて写真を撮ってあげた。サファリ風の短パン姿で一眼レフを持っていたからカメラマンだと勘違いされたようだ。
高台寺のすぐ北側が円山公園だ。何度か行ったことがある。夕暮れが近づいてきたので電線のない八坂の塔を探すことにした。道に迷ってやっと着いたときは陽が暮れていた。思うような写真は撮れなかった。京都駅から6時間ほど歩きっぱなしで足がかなり疲れた。大通りにでてバスに乗ったが、交通渋滞で京都駅まで1時間以上かかってしまった。