営業プロセス研修

はじめに

 市場が成長している時代、競争に打ち勝つための営業スキルの強化研修が重要視された。市場が成熟するに伴い、お客様の業績向上に寄与する提案型の営業やソリューション営業ということが大切であるといわれる。営業の仕方やスキル強化だけでは良質な商談を獲得することが困難な時代でもある。市場(需要)のあるところに競争力のある製品を販促するといったマーケティングの4Pの原則も通用しない時代である。市場は作るものである。商談を待ち受けるのではなく、作ることができる営業組織が求められている。

 これからの営業担当者と関連組織に求められているのは、良質な商談を他社に先駆けていかに生み出していくかということである。その商談を獲得し実行した結果が、お客様の視点で考えてお客様の業績向上に貢献するものであることが大前提であることは論を待たない。お客様起点で商談を生み出すには、お客様の経営プロセスを理解し、その経営目標や課題を認識して営業活動を推進しなければいけない。つまり、お客様起点での営業活動プロセスが鍵となる。

 ビジネスモデルが変わっているときは組織プロセスの変革まで踏み込まなければならない。ICT営業は、お客様のICT部門だけでなく、経営プロセスを理解し、CXOと折衝できる力が求められる。



※営業SE研修の講座案内はΣSNSのコミュニティ掲示板(非公開)をご覧ください。

1.目 的

 第一に、ソリューション営業を展開するための基本、狙いを定め、顧客要求を理解して、提案シナリオを作成、仮説を立てて商談を推進するといった営業の定石を研修する。そして第二に、お客様の経営プロセスやお客様のお客様の視点からプロセスベースで営業活動を行うことの重要性を認識し、その活動の視点と要諦を研修する。

 営業プロセス研修では、過去十数年の実績と効果が傍証する営業プロセスのあり方、そこで重視する「4つの視点」や良質な商談を切り出すための「7つのフォーカス」、そして確実に商談をクロージングするための「3つのWhy]を習得する。これは教育講座ではなく、研修である。

 参加者が自らの体験や失敗商談を事例としてグループワークショップ(演習・事例研究)での対話と発表、講師のコメントなどを通じて気づき、体得することを主眼とする。講師は基本的な知識を与えるための講義を行うが、加えて研修課題に応じた適切な参考事例を紹介しながら、参加者に「考えること」を促し、「気づくこと」を重視した形で研修を進める。研修後、参加者は気づいたことを自組織で実践することを繰り返すことで効果が出てくるものである。

2.対象者

 企画・営業・販促・各事業部門担当の経営幹部、商談推進のリーダ、現場の営業担当の方を対象にします。とくに特定顧客市場での継続的商談展開や顧客経営幹部とのリレーション構築、経営パートナーになることを目指している人が対象になります。年齢。性別、経験は問いませんが、自分の意見を述べ、他者の意見に耳を傾け「対話」できる人が望ましい。参加人数は15~20人とします。
  • これからの営業活動で指針となることや留意すべきことを学びたい
  • お客様との信頼関係を築くためにどうすればよいかを知りたい
  • 営業情報を共有し役割分担をして組織・チームで商談を展開したい。
  • 提案型とかソリューション営業の進め方を知りたい。
  • 提案シナリオの作り方や提案の仕方、商談展開の仕方を知りたい。
  • 良質な商談を獲得するための秘訣を知りたい。
  • お客様の経営パートナーとして継続的なビジネス関係を作りたい。

3.事前準備

 研修の効果をあげるために、受講者は下記に述べる事前準備をします。読んだり考えたりする時間が必要なので半日くらい確保して取り組んでください。
※配布資料を開くパスワードが必要です。ΣSNSにログインして入手してください。

(1)事前配布資料の確認と熟読
 印刷資料とWeb資料があります。SVC資料一覧を確認してください。先ず、配布資料 [200pdf]  を最後まで読んで、研修の全体像を掴む努力をしてください。事前学習のあるなしで、研修の効果が大きく違ってきます。お客様を訪問する前の事前準備が、営業の基本動作であるのとおなじです。

(2)事前アンケート調査
 受講者のプロファイルをもとにグループ分けをしたり、研修の進め方や事例選択に反映したります。アンケート用紙 [201] を配布しますので記入してEメールでの提出をお願いします。

(3)提案型ソリューション営業の自己診断シート記入
 記入用紙 [202]にある設問30問(A4一枚)に対して回答(自己評価)してください。回答は、5~1点で自己診断します。設問の内容を自信をもって肯定できるときは5点、否定せざるを得ないときは1点をつけます。30分程度から一時間くらい必要でしょう。

(4)営業プロセス事前課題シート記入
 事前課題シート(A3一枚) [203] を作成し、初日一番に事務局に提出します。この事前課題は、研修ワークショップでの討議・発表の題材となり、研修効果を上げるために重要なものです。

 過去の商談(敗退商談が望ましい)について、営業プロセスごとに、うまくいったことや困ったことなどを書きます。記入例を参考に記入してください。過去を振り返り、考えながら記入しますので、約1~2時間くらい必要となります。提出された資料は、研修当日のみ参照し、研修終了後はすべて回収して事務局が重要書類廃棄します。

4.研修日程(二日コース)

 初日夜の懇親会を含め、一泊二日で実施します。内容の詳細は時間割をご覧ください。
第一日 午前 経営と営業活動 参加者の認識を共有化した上で、経営と営業プロセスの重要性を認識。
提案型ソリューション営業の定石(最善の法則)を解説する。
午後 営業の型と定石
第二日 午前 リレーション構築 営業プロセスを定義し、役割を明確にしてチームで推進する。
とくにリレーションは重要で全プロセスに係わる。営業計画または事業計画の要諦は確かな情報力にある。
午後 営業計画策定
※講義4時間+質疑3時間+ワークショップ4回10時間(討議・発表・論考)
※この二日間コースのほかに、良質な商談を作るための「7フォーカス」および商談展開・提案・クロージングをプラスした三日コースがあります。また、より実践的な研修として、「アカウントプラン策定研修」(五日間)があります。

5.研修内容(三日コース)

(1) 経営と営業活動
 お客様の現在および将来の要求・期待を把握することが前提です。そのためにはお客様の経営プロセスを理解する必要があります。経営プロセスとはなにか?CXOは何を考えているのか?を対話を通じて学習し、良質な商談を獲得することの意味を考えます。

(2) 営業の 型と定石
 本来の営業プロセス研修内容に進む前に、提案型ソリューション営業の秘訣を解説します。参加者の知識。認識を共有するのが目的です。営業活動の各プロセ ス研修のなかで繰返し、認識を深めていただきます。

(3) 顧客リレーション構築
 営業プロセス全体を通じてもっとも重要な継続的課題となるものです。これができていないと営業プロセス(商談獲得)が機能しないことに気づいていただき、リレーション構築の「4つの視点」をしっかりと体得していただきます。

(4) 営業計画策定と情報力
 営業計画(事業計画)を策定するプロセスとアカウントプラン策定の要諦を学びます。これを実践するためには必要最小限の適切な情報を把握することが前提になります。情報感度を高め経営マインドを持って本質的な情報を掌握すること、そのための情報力の鍛え方も学習します。

(5) アカウントプラン策定
 良質な商談を切り出し、具体的な商談を展開するときの「7つのフォーカス」を事例をもとにグループ研修します。アカウントプラン策定の要諦やお客様と一緒にワークショップを実施することの意義を理解し、具体的な方法を学びます。JQA(日本経営品質賞プログラム)の重視する考え方や経営成熟度のアセスメント手法の概略講義も行います。

(6) 提案・商談展開・クロージング

 お客様のRFPがでる前に商談を切り出し提案すること、有利に商談を展開するためのプロセス、そして確実にクロージングするための秘訣、「3つのWhy]を学びます。また、この段階におけるリレーション構築の重要性について商談事例から学びます。


6.研修ワークショップ

 研修課題に応じて、個人ワークとグループワークを併用します。グループワークショップではリレーション構築の基本である「対話の仕方」についても学びます。5~6人からなるグループで討議をして、合意を形成し、代表者が全員に発表します。参加者の質疑・意見と、講師のサジェスチョンや参考事例の紹介などを含めてケーススタディを実施します。
 

7.配布教材

  • お客様起点の提案営業(パワーポイント30枚)
  • 経営パートナーを目指した営業プロセス(同70枚)
  • 営業プロセス定義と職務記述書(米国MBO/STIプログラム例)

8.クレジット・実績

 90年代に生き残り、業績を上げた企業が実践してきた営業プロセスの調査・分析から生まれた研修プログラムとして定評があります。某企業は営業数千人の研修を実施し、二年後数百億円の売り上げ増に寄与したと評価しています。某外資系企業では、この研修の類似サービスを提供していたコンサル会社を買収し、本部営業だけでなくビジネスパートナーの研修にも展開しています。大企業向けと中小企業向けにカストマイズした研修が可能です。またお客様の「購買プロセス」に着目してより実践的な現場向け研修プログラムもあります。

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