天香久山に登った。JR香久山駅から徒歩50分で標高152mの頂上に着いた。途中の「古池」あたりから緩やかに登る山道になる。すぐ「万葉の森」の入り口に着く。香久山の北の斜面一体が自然の公園になっており、いたるところに万葉歌人の石碑が置いてある。樹木には名前と特徴を書いた案内板が掲げてある。しばしたたずみ勉強するのに好都合だ。
公園内に人影はなかった。ぶらりと歩き十数分で香久山への登山口に着いた。急な階段を登るがそれほど長くはない。十数分で頂上に着く。数十メートル四方ほどの平らな場所になっており北側に国常立神を祀る神社が、意外と質素なたたずまいを見せていた。眼下に藤原京跡を見渡せ、畝傍山、二上山も眺められた。春夏秋には多くの人が来るのかもしれないが、いまは誰もいなかった。
西に下ると国見跡、西北に行くと天香久山神社にいたるという案内板があった。少し遠回りになるが西に下ったあと天香久山神社に参った。国見跡には十分ほどで着く。そこが西側の登山口になっていた。視界が開け、緩やかな斜面の向こうに古の藤原京の跡地が見渡せた。小学生二人が自転車で通りかかり、「みるく工房、西井牧場を知っていますか?」と聞いてきた。近くに牧場があるなどとは思いもしないから驚いた。「知らない。そこに行くの?」と聞けば、「家に帰るところ。知っているかどうかアンケート調査している。」という。牧場の人に頼まれて、みるく工房の名前を広めているそうだ。彼らによると、絞りたての牛乳をつかったパン、ケーキ、ヨーグルト、アイスクリームなどを販売しているそうである。天香久山神社とは反対の方向だったので次回によることにした。
神社には10分ほどで着いた。思いのほかこじんまりとした社殿、地元の村の鎮守様といった風情だった。陽も落ちてきた。舗装道路を避け、田んぼ道を横切るように歩いた。途中で川に阻まれ端のあるところまで遠回りをすることになったが、20分ほどで藤原宮跡の東側に着いた。そこから藤原宮を横切って内裏跡に向かう。この一帯は私のお気に入りの場所で自転車で何度も訪れている。とくに秋のコスモスに埋め尽くされた風景は一見の価値がある。内裏跡からは住宅地を横切って歩く。藤原宮内裏跡からJR畝傍駅までは2km足らず、およそ20分で着く。
香久山駅から畝傍駅までおよそ7kmの道のりで、2時間半歩いただった。歩数は13303歩だった。自転車を置いてきた金橋駅は畝傍駅の次の駅だが、市街地を抜けないとダメなので歩くのは避けて電車に乗った。1時間に1~2本しかないが30分待ちで乗れたので幸いだった。
