
奈良井宿観光協会の案内によれば、中山道六九次のうち11宿が木曽路にあり、北から2番目が奈良井宿である。杉玉を掲げた酒屋、軒灯りの旅籠、千本格子の家々が軒を連ね、その賑わいは「奈良井千軒」といわれた。欧米からの個人客が多いことが特徴的で、アジアからの団体客にも人気がある。その案内どおりに外国人観光客が多かった。
旧中山道といえば、馬籠・妻籠が有名である。20代半ばの頃に東京から車で訪れたことがある。それ以来、木曽路を歩いたことはなかった。塩尻以西の中央本線に乗るのも20代のときの山行き以来である。
名古屋からL特急(1時間に1本)に乗れば1時間50分で奈良井駅に着くが、青春18きっぷでは特急に乗れない。もとより特急に乗るつもりはないので普通列車で乗り継いで行く。中津川での乗換え待ち時間を含めて3時間くらいで奈良井駅に着く。名古屋周辺からは日帰りの旅を楽しめる距離である。
奈良井駅から100mのところが奈良井宿北入口である。日本最長の宿場町で南北1キロにわたる。重要伝統的建造物群保存地区に指定された街並みは、江戸時代の面影を残しており、日本人の郷愁と旅心をくすぐる。
南北1キロなので1時間もあれば、写真を撮り寄り道をしながら街並みを十分に味わうことができる。宿場の南端にある神社で折り返し、線路を渡って北へ歩くと太鼓橋と公園がある。駅まで5分くらいの所だ。ここでお弁当を食べのんびりと過ごす。約3時間後の列車に乗って八ヶ岳南麓へ移動した。
※奈良井宿一番の祭りは毎年6月最初の日曜日に開催される「お茶壷道中」である。江戸時代、京都宇治から徳川家へ献上されるお茶が中山道を通ったことに由来にする。